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2008年の生体牛輸出頭数は、3年連続の増加見込み

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2008年の生体輸出頭数は、前年比11%増の80万頭の見込み

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)が8月11日に発表した肉牛需給予測によると、2008年の豪州の生体牛輸出頭数は、前年比11%増の80万頭とかなり大きく増加する見込みである。

 近年における豪州の生体牛輸出は、過去最高となった2002年の97万頭2千頭から、豪ドル高の進行や原油高による輸送コストの上昇、外国産牛肉との競合の激化などで、2003年以降は、減少に転じていた。しかし、東南アジアなどにおける需要の伸びなどから2006年に再び増加に転じ、2008年は3年連続で前年を上回る見込みである。

 2008年の増加要因としてMLAは、最大の輸出先であるインドネシアからの高い需要と主要供給地である豪州北部地域における供給増を挙げている。後者については、北部準州(NT)中央部とクイーンズランド(QLD)州西部の干ばつの影響による出荷頭数の増加によるところが大きい。
生体牛輸出頭数の推移

インドネシア向けが引き続き増加

 2008年の輸出予測を仕向け先別にみると、最大の輸出先であるインドネシア向けは、前年比34%増と大幅に増加した2007年に引き続き、前年比11%増の57万5千頭と増加が見込まれている。要因としては、同国では、経済成長に伴う牛肉需要の増加を背景にフィードロットの飼養規模が拡大していることから、豪州産肥育素牛の需要が高まっていることなどが挙げられている。他の仕向け先である中東およびアフリカ向けは、同39%増の10万頭と見込まれる。このうち、大部分がイスラエル向けであり、2008年1月〜6月の同国向け輸出は、既に3万3千頭となっている。一方、マレーシアやフィリピン向けは、豪ドル高などから、それぞれ同57%減の1万5千頭、同35%減の1万3千頭と大幅に減少する見込みである。なお、日本向けは、前年同の2万1千頭と見込まれている。
仕向け先別生体牛輸出頭数の推移

2012年には85万頭に達するものの、100万頭には及ばない見込み

 また、生体牛輸出の中期的な見通しとして、MLAでは、豪州の主要供給地における肉牛供給能力の改善や輸出需要の高まりから、2012年には85万頭に達するとしている。しかし、国内外からの堅調な牛肉需要による国内と畜加工部門との供給面での競合、南米やインド産牛肉との価格競合などから、今後10年間に100万頭には及ばないとみている。
【玉井 明雄 平成20年8月21日発】
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