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DA、酪農経営に不安定要因が拡大と報告(豪州)

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世界的な乳製品需要の減速など豪州の酪農経営は短期的に不安定要因が拡大

 デイリー・オーストラリア(DA)は10月19日、今年6月に公表した2008年の酪農の現状および見通しに関するレポートの更新版を公表した。これによると、豪州酪農経営は、世界的な金融危機に伴う乳製品需要の減速に加え、豪州の厳しい気象条件および乳製品国際価格の下落により、短期的に不安定な要因が拡大していると報告している。

 この報告では、豪州の酪農経営に影響を及ぼす要因として、世界経済、国際乳製品需要、豪州乳製品市場、国際乳製品供給、生産コストおよび為替レートの6項目を挙げている。このうち世界経済、国際乳製品需要および国際乳製品供給の状況は、豪州の酪農経営にとってマイナス要因として、為替レートはプラス要因として、豪州乳製品市場および生産コストは中立的要因として作用していると報告している。

 DAは、豪州の酪農経営にとってマイナスに作用している要因の短期的な状況を次のとおり見通している。(1)世界経済は、非常に不安定な状況にあり、今後は米国およびEUの経済成長によるところが大きい。また、豪州にとって最大の輸出先であるアジア地域において経済成長の減速が始まっている。(2)国際乳製品需要は、米国に端を発した金融危機およびインフレの影響により減退する。また、中国市場における需要は不透明である。(3)国際乳製品供給は、今後6ヵ月間、ニュージーランドおよび米国で引き続き供給量が増加する。また、EUからはバターの輸出増加が見込まれる。

 DAが今年6月に公表したレポートでは、豪州の酪農は大幅な生産コストの上昇、不安定な天候、乳牛飼養頭数の縮小といったマイナス要因があるものの、高水準の乳製品国際価格を背景として市場環境がかつてないほど良好な状況にあり、当面この状況を維持するとしていた。

2008/09年度生乳生産量は、依然として前年度比1%増の見込み

 2008/09年度の豪州の生乳生産量は、今年6月のレポートと同様に前年度比1%増の930万キロリットル程度を見込んでいる。生乳生産は、酪農家の増産意欲は強いものの、生乳生産量は晩春の気象条件によるところが大きく、また、依然として不安定な気象条件および干ばつで減少した乳牛頭数により制約を受ける状況にあるとしている。

 また、2008/09年度の豪州南部における初期生産者乳価は、前年度の初期生産者乳価よりも8〜9%高い水準となった。しかしながら、最終生産者乳価は、前年度と同水準または5%程度低下すると見ている。

国内市場は引き続き好調。一方、急激な小売価格の上昇で消費パターンに変化

 豪州における牛乳・乳製品消費は、牛乳を中心に引き続き順調である。2007/08年度は、小売価格の上昇などを反映して牛乳・乳製品販売額が前年度13%増となった。スーパーマーケットにおける2008年8月までの6カ月間の販売額は、品目別で8〜16%増といずれも前年同期を上回っている。ただし販売量については、牛乳、バターなどで増加しているものの、チーズや超高温殺菌牛乳で前年同期を下回った。また、消費者が急激な小売価格の上昇に対応して、牛乳の購入をメーカー・ブランドからプライベート・ブランドへ、また、加工乳から普通牛乳へ変更するなど購買パターンに変化が見られる。

酪農家の経営意欲は引き続き非常に高水準

 この報告では、2008年9月に340戸の豪州の酪農家を対象とした経営意識調査結果を公表している。これによると、酪農家の89%が将来の酪農経営に肯定的であるとしており、2008年2月の調査時の84%よりもさらに上昇し非常に高水準となっている。また、今後12カ月間の穀物や粗飼料といった飼料の確保については、83%が調達可能としている。

 地域別では、酪農の主産地であるビクトリア(VIC)州西部およびギプスランド地区でそれぞれ95%と経営に対する意欲が強く、VIC州北部およびリベリナ地区では84%と相対的に低くなっている。また、今後の飼料の確保については、VIC州西部およびギプスランド地区で90%以上の酪農家が調達可能としているのに対して、VIC州北部およびリベリナ地区では72%と低くなっている。

 また、今後3年間の飼養頭数については、59%で増加、37%で現状維持と回答している。ただし、酪農家の増産意欲が、生乳生産や飼養頭数の増加に反映される段階にはまだないとしている。
【井田 俊二 平成20年11月5日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
Tel:03-3583-9535



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