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2008年第1四半期は豚肉生産量が減少(フィリピン)

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2008年第1四半期の農業生産額の成長率は16.6%

 フィリピン農務省農業統計局(BAS)は、2008年第1四半期(1〜3月分)の農業生産状況を公表した。
農業部門全体における生産額(現行価格)は、前年同期比16.6%増の2,822億ペソ(約6,490億5千万円:1ペソ=2.3円)となった。

 部門別でみると、農業部門生産額の半数を占める作物部門は同22.3%増の1,577億ペソ(約3,626億7千万円)、約2割を占める水産部門が同13.4%増の496億ペソ(約1,140億5千万円)と前年に引き続き好調を維持しており、農業生産全体をけん引した。畜産関係については、家畜部門(牛肉、水牛肉、豚肉、ヤギ肉、生乳)が同7.6%増の421億ペソ(約968億2千万円)となり、家きん部門(鶏肉、アヒル肉、鶏卵、アヒル卵)も同8.7%増の328億ペソ(約755億円)となった。

作物部門はおおむね好調

 部門別の生産量については、家きん部門の鶏肉がインテグレータの設備投資により同4.6%増の33万8千トンとなった。家畜部門については、水牛肉と牛肉がほぼ前年と同水準となったほか、数量は少ないもののヤギ肉が同6.2%増の2万トン、生乳が同3.8%増の3千トンとなり、前年に引き続き増加傾向で推移している。同国の食肉で最も消費量の多い豚肉については、同4.2%減の44万3千トンとなっているが、BASは豚の主要飼養地域であるルソン地域において、昨年から続く豚流行性下痢や豚コレラなどの疾病の影響によるものとしている。

 作物部門では、トウモロコシが同16.9%増の199万トンとなった。BASによれば、トウモロコシ生産量の大幅な増加は主に飼料用の黄色トウモロコシの増産によるものとしており、同国政府によるハイブリッド品種の積極的な使用奨励のほか、生産者販売価格が2005年11月以降おおむね前年を上回る水準で推移していることが生産者の増産意欲を後押ししたとしている。

 このほかの主要作物では、サトウキビが同6.3%増の1,181万トン、キャッサバが同3.5%増の39万トンとなった。キャッサバについては、トウモロコシと同様に好調な価格が増産の主な要因としているが、サトウキビについては、2007年の第4四半期に収穫予定のものの一部が、降雨の影響により2008年1月の収穫になったことも要因の一部としている。

 部門別の生産者販売平均価格では、豚肉が同12.9%高のキログラム当たり79.21ペソ(約182円)となったほか、鶏肉が同4%高のキログラム当たり73.06ペソ(約168円)となった。畜産および家きん部門では、アヒル卵のみがほぼ前年同期並みの価格となったほかは、おおむね2%高以上となっている。
2008年1月〜3月の農産物生産額、生産量、生産者販売価格

豚肉生産量は疾病の影響により減少

 同国における豚の飼養頭数については、2007年1月現在(速報値)で約1,350万頭となっているが、このうち同国北部のルソン地域における飼養頭数が約630万頭で全体の47%を占めているほか、中部のヴィサヤ地域の飼養頭数が約340万頭でシェアは25%、南部のミンダナオ地域における飼養頭数が約380万頭で同じく28%となっている。

 また、同国では庭先養豚による飼養頭数が全体の約7割を占めており、商業養豚による飼養頭数は約3割となっている。ただし、この比率は地域ごとによって大きく異なり、主要飼養地域のうちルソン地域の中部ルソン管区では196万頭を飼養しているが、このうち商業養豚の比率は66.7%となっているのに対し、ヴィサヤ地域の西部ヴィサヤ管区では、飼養頭数138万頭のうち商業養豚の比率は12.8%となっている。

 BASは、豚肉の生産量が第1四半期に減少した要因をルソン地域で発生した豚の疾病よるものとしているが、同国の全国養豚協会(National Federation of Hog Farmers Inc.:NFHFI)によれば、その中でも被害を受けているのは庭先養豚農家が多いとしている。また、NFHFIは飼料費高騰の影響により、ルソン地域の庭先養豚農家の約3割が廃業するなど大きな影響を受けているとしている。

 フィリピン農務省(DA)は、同国における口蹄疫清浄化を進めている。現在では国際獣疫事務局によりミンダナオ地域、ヴィサヤ地域、パラワン島およびマステバ島がワクチン非接種口蹄疫清浄地域と認定されており、最大の養豚地帯であるルソン地域の清浄化を図っている。また、DAは豚肉の輸出拡大に向け、かねてよりシンガポール政府と輸出条件の締結交渉を実施していたが、4月22日にシンガポール食品獣医庁(AVA)によりフィリピン産冷凍豚肉の輸入が認可されている。今回、AVAにより認可されたのは、ミンダナオ地域に所在する食肉・加工処理施設1カ所であるが、DAは同国産豚肉の輸出拡大に期待を寄せている。
地域別豚飼養頭数(2007年)
経営形態別豚飼養頭数
【林 義隆 平成20年7月14日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
Tel:03-3583-9534



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