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中国産乳製品への対応(第2報)(シンガポール)

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新たに2品目からメラミンが検出

 シンガポールの食品安全を所管している農業食品獣医庁(AVA)は9月30日、中国から輸入された検査中の食品のうち、新たに2品目からメラミンが検出されたと発表した。うち1品は、24日に混入が判明したポテトクラッカーのトマト味、もう1品はイチゴ風味のディップ(クラッカーなどにつけるクリーム状の味付けソース)である。ポテトクラッカーは全粉乳を、ディップは乳固形分を原材料としていた。

 この結果、シンガポールでメラミンが検出された食品は10品目となった。
シンガポールでメラミンが検出された食品と検出濃度

中国産牛乳、乳製品およびこれらを原料とする製品は輸入、販売停止中

 AVAは17日、香港でメラミンの検出が報告された中国産アイスを回収し、また食べないように勧告したが、19日、このアイスおよび中国産乳飲料からメラミンが検出されたことを踏まえて、この2品目の回収、廃棄を命じた。また、予防的措置として、業者に対して、必要な調査および検査が終わるまでの間、中国産の牛乳、乳製品およびこれらを原料とする製品の輸入、販売を停止するよう命じた。23日には、保健省との連名で、消費者に対して、シンガポールで検出された食品中のメラミンの濃度は低く、過度に心配する必要はないと呼びかけるとともに、多く寄せられる質問への回答を公表した。(9月26日付海外駐在員情報参照)
 
 今回検出された2品目についても、その濃度は低く、大量に長期間摂取しない限り、健康に悪影響を及ぼす危険性はないとしている。

紛らわしい広告に対し、中国産製品の輸入、販売停止を改めて強調

 今回の公表に併せてAVAは、安全が確認されるまで、中国からの牛乳、乳製品などの輸入、販売停止を継続することを改めて表明している。また、中国産の製品を回収する一方で、中国産の原材料を使用していないという理由で自社の製品は安全であるという広告を出している食品会社に対して、AVAが安全を証明しない限り、こうした主張はするべきではなく、中国産である限り、AVAはその牛乳および乳製品の輸入と販売を停止すると強調している。こうした広告に対しては、地元紙に対して、AVAの回収命令と矛盾するものであり、AVAと食品会社のどちらを信用すればいいのかといった消費者からの混乱や質問が寄せられていた。


【参考】AVAホームページURL
【佐々木 勝憲 平成20年9月30日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
Tel:03-3583-9534