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中国産の乳製品などの販売を段階的に解禁(シンガポール)

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回収された乳製品などの販売をリスクを考慮して段階的に解禁

 シンガポールの食品安全を所管する農食品獣医庁(AVA)は11月11日、9月19日以降予防的措置として実施していた中国産牛乳・乳製品およびこれらを原料とする製品(以下「乳製品など」と記す。)の輸入、販売停止措置のうち、店頭から回収された製品の販売について段階的に解禁すると発表した。

 AVAの発表によれば、中国製約500品目を含む3,500品目以上の乳製品などについての検査が終了し、このうち中国製の乳製品などの16品目とマレーシア製のビスケット17品目からメラミンが検出されたが、これらの製品はAVAの監視下ですでに処分済みか、または処分予定となっている。

 検査の終了を受け、9月19日の輸入、販売停止措置より前に輸入された中国製の乳製品などの販売を、リスクに応じて低リスク製品、中リスク製品、高リスク製品の3段階に分けて解禁することとした。

 AVAは、解禁に際して再検査を実施し、メラミン含有量がAVAの処置限界(action limit:3歳未満の子供向け食品については1ppm、それ以外のすべての食品については5ppm)を超えないと確認されたものだけの販売を解禁するとしている。乳製品などの各段階の分類は以下のとおりとなっている。
乳製品などの段階の分類
 第一段階の製品については、検査基準が満たされたとして、中国製のバター、ギー、クリーム代用品は11日に、シリアルは13日に販売が解禁された。中国以外で製造された牛乳を原材料として中国で製造された乳製品などについては、輸入業者が原材料の牛乳の生産国を証明する書類を提出することにより、販売が解禁される。

 AVAは、これにより第一段階が終了し、引き続き第二段階に入るとしており、第三段階の検査終了までには2〜3週間を要するとしている。

中国からの輸入停止措置は継続

 一方、中国からの乳製品などの輸入停止措置についてAVAは、現在も中国食品衛生担当部局と交渉中であり、十分な調査結果の報告と、新たに食品安全のために実施する改善点についての情報の提供を受けて、解禁を検討するとしている。

 また、報道によれば、AVAは、検討に当たって、1カ月以内に農場や集乳センターを含む現地調査を行うためのチームを派遣する予定である。

 このことについてAVA長官は、時期については明言を避けたものの、この問題は人為的なもので、現在は防止可能であり、新たに製造される製品は安全であるとして、輸入解禁に当たっては、新たに製造された製品であることが要求されるだろうと語った。

 なお、マレーシア製のビスケット17品目についてAVAは、中国製の汚染された膨張剤が原因であると考えている。

 AVAの検査によれば、シンガポール国内で製造されたビスケットや、同国内で使用されている膨張剤にはメラミンの汚染はなかった。
シンガポールでメラミンが検出された中国製製品16品目と検出濃度検出濃度
【参考】AVAホームページURL
【佐々木 勝憲 平成20年11月14日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
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