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2007年農業生産額は前年比4.5%増(シンガポール)

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食料の安定確保のほか消費者の意識改革にも注力

 シンガポール農食品獣医庁(AVA)は、2007/08会計年度(4月〜3月)における活動報告などを公表した。
同国では、国内で消費する食品の9割以上を海外からの輸入に依存しているため、食品の安全性確保と安定的な供給に向けた取り組みなどが重要視されており、本報告書でもAVAによる食品安全への対応状況などが主要な報告事項となっている。本報告書によれば、今年度においては、国内で製造された食品および輸入品のうち、73,454品目について農薬や、食品添加物および成長促進ホルモン剤などの検査を実施した。畜産関係では、食肉および食肉加工品について2,063品目の検査を実施したが、このうち6件についてリステリア菌の汚染が確認されたため輸入申請が却下されている。

 AVAは、2008年3月現在で海外の農場および食肉加工施設など合計715カ所を承認し、シンガポールへの食肉や食肉加工品などの輸入を許可している。食品の安定的な確保を図るため、新規輸入先の開拓に力を注いでいるが、今年度については、中国、チリ、フィリピン、タイ、マレーシア、台湾の計6カ国の農場および食肉加工施設などの検査を実施しており、このうちチリの豚肉および鶏肉加工施設4カ所が同国の施設として初めてAVAに承認されている。

 食肉について、国内の消費者は冷蔵肉を志向する傾向が強い。しかしながら、食品の調達先の多様化や食品価格の上昇に対応するため、冷蔵食肉より価格が安く保存期間も長い冷凍食肉の消費拡大キャンペーンを実施し、消費者の意識改革に取り組んだ。さらに、業務用生鮮鶏卵の供給不足時に備え、乾燥全卵を使用したレストラン用メニューの開発を行うとともに常時からの利用を呼びかけている。

 なお、AVAの直近における食品の安全性確保に関する取り組みでは、アイルランド政府が12月6日付けで9月1日以降に生産された同国産の豚肉やその加工品がダイオキシンに汚染されている可能性が排除できないとして、当該豚肉などを市場から隔離することを発表したことを受けて、12月7日付けで同国産の豚肉などについて輸入禁止措置を講じたほか、当該豚肉が輸入され国内市場で流通している場合の速やかな回収を指示している。

2007年農業生産額は前年比4.5%増加

 活動報告と併せて農業生産額なども公表されているが、このうち2007年農業生産額は2億4千4百万シンガポールドル(約150億4千万円:1シンガポールドル=62円)となり前年を4.5%上回った。品目別に見ると、畜産関係は同13.5%増の5千2百万シンガポールドル(約32億1千万円)、水産関係が前年比3.3%増の1億4千6百万シンガポールドル(約90億円)、その他農業関係が同0.7%減の4千6百万シンガポールドル(約28億2千万円)となった。また、国内の農場数は264カ所、農業用地は764ヘクタールとなり前年より増加したものの、1997年との比較では農場数が122カ所減少しているほか、農業用地も309ヘクタール減少するなど、過去10年間でいずれも約3割減少している。このうち、畜産関係の農場は2008年3月時点で、採卵農場が6カ所、酪農場が3カ所、ヤギ牧場が1カ所となっている。
表1 表2

鶏肉、豚肉などの年間消費量は増加

 2007年におけるシンガポールの品目別食料自給率は、鶏卵が27%と最も高く、その他は魚類が8.9%、野菜が4.8%、鶏肉が1.1%となっている。鶏卵の生産量は前年比5.4%増の3億7千3百万個となっている。

 1人当たり年間消費量は、魚類と果実を除き前年より増加しており、このうち畜産関係では、鶏肉が同13%増の33キログラム、豚肉が同2.5%増の20.6キログラム、牛肉が同13.2%増の4.3キログラムとなっている。豚肉消費量は、豚の主要輸入先であったマレーシアで、1998〜99年にニパウイルス感染症が発生した影響により、99年の1人当たり年間消費量が同33%減の15.2キログラムとなったが、2003年以降は20キログラム前後で推移している。なお、現在マレーシアからの食肉輸入は鶏肉のみが可能となっており、豚肉、牛肉や羊肉の輸入は許可されていない。鶏肉については、豚肉消費量が大幅に減少した99年に1人当たり年間消費量が同22.4%増の38.4キログラムとなり、その後も2003年までは35〜38キログラムで推移していたが、2004年にマレーシアで高病原性鳥インフルエンザが発生した影響により、同年以降は30キログラム台前半の水準で推移している。現在、マレーシア産の家きんおよび家きん調製品については、AVAにより承認された農場や処理・加工処理施設で生産されたものについてのみ輸入が認められている。

 年間消費量の増加に伴い、2007年の食料輸入量は果実を除き増加しており、畜産関係では鶏肉が前年比15%増の16万4千トン、豚肉が同7.2%増の9万5千トン、牛肉が同13.9%の2万8千トン、鶏卵が同9%増の6万1千トンなどとなっている。
表3 表4 表5
【林 義隆 平成20年12月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
Tel:03-3583-9534



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