米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)は3月31日、3月上旬に行った生産者への意向調査に基づく2008年の主要作物の作付予測を公表した。
これによると、同年のトウモロコシ作付面積は、1944年以来最高水準となった前年を8.1%(759万エーカー)下回る8,601万エーカーと見込まれ、同省が本年2月の農業観測会議開催時に公表した予測(同3.8%減の9,000万エーカー)に比べさらに4%程度下方修正されている。
USDAは、同年のトウモロコシの作付けが前年を下回ると予想されることについて、(1)他作物の価格高、(2)肥料価格の上昇などトウモロコシの生産コストの増大、(3)輪作ローテーションの影響−などによる他作物へのシフトをその要因としている。しかし、エタノール生産の拡大など需要の増大によりトウモロコシ価格は引き続き高値で推移するものと見込まれることから、その作付面積は、依然として高水準となることが予想されるとしている。
一方、大豆の作付面積は、アイオワ州をはじめとするコーンベルト地帯を中心にほぼすべての州で前年を上回り、全体では前年比17.5%増の7,479万エーカー(2月予測比5.3%増)と大幅な増大が見込まれている。また、小麦の作付面積は前年比5.6%増の6,380万エーカーとなり、このうち春小麦の作付けは同7.8%増の1,433万エーカーに拡大するものと見込まれている。
なお、同局が同日に公表した3月1日現在の主要作物の在庫は、トウモロコシが前年を約13%上回る一方、大豆は約20%、小麦は約17%前年を下回っている。