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米国農務省、現行の販売支援プログラムにおける家畜個体識別制度の活用を推進

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 米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)は4月2日、同局が現在実施している販売支援プログラムに、いかに全国家畜個体識別制度(NAIS)を組み込んでいくかを示した事業計画(案)を公表した。具体的には、工程認証プログラム(PVP)、品質システム評価(QSA)プログラムや対EU輸出向けホルモン非投与肉牛プログラムなどに参加する生産者に対し、家畜個体識別の要件を満たすための手段として、NAISの活用を奨励するものである。

 NAISは、2004年以降、家畜衛生強化の観点からの取り組みとして、同省動植物衛生検査局(APHIS)を中心に本格的な検討が進められ、2005年中頃には、すべての州において同制度の根幹と位置付けられる施設登録の受付が開始された。しかし、同制度は、任意による制度であるため、これまでに登録された施設数は、全体の3割強(本年4月2日現在、全米50州にある144万施設(USDA推計値)のうち約45万7千戸)と低水準にとどまっている。

 このような中、APHISは昨年12月、NAISの進展を促すため、(1)肉牛部門における対策の強化、(2)既存のプログラムの有効活用―などを柱とした今後の具体的な対策を示していた(畜産の情報「海外編」2008年3月号参照)。この中で、AMSが実施するQSAプログラムにおけるNAISの活用は、本年10月までの目標の一つとして掲げられていた。

 USDAのブルース・ナイト次官(マーケティング・動植物衛生管理担当)は、今回の公表に当たり、「AMSの販売支援プログラムにNAISを組み込むことにより、家畜生産者は、家畜衛生の観点からのトレースバックを確実にするとともに、国内外における家畜流通の付加価値向上の恩恵を受けることとなる」と述べた。

 なお、USDAは、本年10月以降実施が予定されている義務的原産地表示(COOL)制度においても、記録保持の要件の一つとしてNAISの導入を検討中であるとしている。
【唐澤 哲也 平成20年4月3日発】
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