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米国農務省、2008年産トウモロコシの生産予測を下方修正

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は6月10日、世界農産物需給推計の月次報告を公表し、2008/09年度(2008年9月〜2009年8月)における米国のトウモロコシ生産予測量を下方修正した。

 これによると、2008年産のトウモロコシ生産量は前月予測から3億9,000万ブッシェル(991万トン)引き下げられ、前年度比10%減の117億3,500万ブッシェル(2億9,807万トン)と見込まれている。これは、米中西部のコーンベルト地域一帯で長引く降雨の影響により作付けが遅れ、平年に比べ発芽率が伸び悩んでいることなどから、1エーカー当たりの単収が前月予測から5ブッシェル(1ヘクタール当たり0.3トン)引き下げられたためである。

 同省全国農業統計局(NASS)が毎週公表している、主要生産州の天候と作付け状況に関する報告書によると、6月1日現在の主要18州(全米のトウモロコシ作付け総面積の9割強を占める)のトウモロコシの発芽率は、前年同日を18ポイント、また、過去5年平均を15ポイント下回る74%にとどまるものとされていた。なお、同報告書では、同月8日現在の発芽率は、89%(前年同日比9ポイント減、過去5年平均比6ポイント減)まで回復しているものとしている。

 一方、トウモロコシ需要を見ると、飼料等向けが1億5,000万ブッシェル(381万トン)、輸出向けが1億ブッシェル(254万トン)、前月予測からそれぞれ引き下げられ、総需要量は、前年度比4%減の125億1,000万ブッシェル(3億1,775万トン)と見込まれている。

 この結果、トウモロコシの2008/09年度の期末在庫量は、前回予測を9,000万ブッシェル(228万トン)下回る6億7,300万ブッシェル(1,709万トン)に引き下げられる一方、生産者平均販売価格は、前年度を3〜4割程度上回る1ブッシェル当たり5.30〜6.30ドル(トン当たり22,535円〜26,787円:1ドル=108円)に引き上げられている。

 なお、大豆の需給予測については、2007/08年度における輸出量(推計値)が上方修正されたことから、同年度末の在庫量が2,000万ブッシェル(54万トン)引き下げられているほかは、前月予測から大きな修正はされていない。
米国における主要農作物の需給見通し
【唐澤 哲也 平成20年6月10日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤井)
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