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大豆輸出税の取り扱いについて生産者団体と政府との対立が強まる(アルゼンチン

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大豆輸出税の地方交付を発表

 フェルナンデス大統領は3月19日、大豆輸出税の一部を地方に交付することを発表するとともに、これを定めた大統領令206/2009号(2009年3月19日付)を公布した。

同大統領令では、

(1) 地域の公衆衛生施設や教育施設、病院などの施設整備のために連邦政府に基金を設立すること
(2) 大豆およびその製品(大豆油、大豆油かすなど)の輸出税収入の30%を基金の原資とすること
(3) 基金は各州政府に交付されること

などを定めている。

突然の発表に否定的な反応

 生産者団体にとっては、政府との会合が3月17日に行われたにも関わらず、同大統領令について何も知らされず、また、議会下院で農畜産物の輸出税に関する審議を開始するため、議員に働きかけを行っていた矢先の突然の発表であったため、否定的な反応を示している。

 アルゼンチン農牧連盟(CRA)のリャンビアス会長は「アルゼンチン国民を混乱させることが目的」、アルゼンチン農牧協会(SRA)のビオルカティ会長は、「大統領令ではなく、議会で決定すればより民主的であった」と述べている。また、自発的に幹線道路に集まり抗議活動を行う生産者団体の下部組織もある。

 このようなことから、抗議の意思を明らかにするため、生産者団体が農業ストに突入するおそれもあるなど、生産者団体と政府との対立が強まる情勢となっている。
【松本 隆志 平成21年3月20日発】
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