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南米の農畜産業をめぐる情勢(2009年7月)

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南米における最近の農畜産業をめぐる情勢について、ダイジェスト版で紹介する。

(アルゼンチン)

大豆生産は過去最高を記録の見込み

 USDAによると、2008/09年度の大豆の収穫面積は1800万ヘクタールに達し、生産量は過去最高の5100万トンと予測されている。現地業界関係者の中にはこれを上回る予測も見られる。一方、トウモロコシは2000万ヘクタール、1500万トン、小麦は350万ヘクタール、950万トンと減少が予測されている。

第123回パレルモ農牧展は盛況

 123回の歴史を誇るパレルモ農牧展は、豚の展示の中止など新型インフルエンザの感染予防措置を採った上で、7月23日から8月4日まで開催された。開会式にはブエノスアイレス市マクリ市長などが参加したが、連邦政府からの参加はなかった。8月2日の日曜日には、11.5万人の入場者数で、開会以来の新記録となった。

(ブラジル)

2009年上半期の鶏肉輸出は、前年同期比1.9%減

 鶏肉輸出協会(ABEF)によると、2009年上半期の鶏肉輸出は数量で前年同期比1.9%減の180万トン、金額で20.2%減の27億ドルとなった。業界関係者は、主な要因として国際価格の下落とドル安傾向であったことを挙げている。なお、中国向け輸出が開始されたことから、2009年の輸出量は、前年比5%程度の増加を見込んでいる。

CONABが穀物収穫見通しを再度下方修正

 CONAB(国家食糧供給公社)は、パラナ州など南部地域の降雨不足などから、2008/09年度の穀物収穫予測量を前回予測(2009円6月)を0.3%下回る1億3377万8000トンとした。品目別に見ると、大豆は、前年年度に比べ4.8%減の5713万8000トン、トウモロコシは、同15.7%減の4945万トンと予測している。

不法伐採地からの牛肉調達を中止

 アマゾン川下流域に位置するブラジル北部では、牛の放牧地や大豆の栽培地造成などのために森林が不法伐採されているといわれている。
 このためパラ州政府は、不法伐採地の農場で飼養されている牛を差し押さえるとともに、これらの農場およびこれらの農場から牛を購入している牛肉パッカーおよび大手スーパーを相手取って損害賠償を求める訴訟を起こす動きを見せた。この動きを踏まえ、牛肉パッカーは製品出荷時に不法伐採地で飼養された牛由来でないとする鑑定書を提出すること、および大手スーパーは不法伐採地で飼養した牛肉の調達を中止することを発表した。

(チリ)

豚肉輸出、新規市場の開拓で回復の兆し

 昨年7月以降の韓国向け豚肉のダイオキシン含有問題や国際金融危機による国際需要の低下により、不振の状態であった豚肉輸出がメキシコ、ペルー、フランス領ポリネシアなど新規市場の開拓により、緩やかながら以前の水準に戻りつつある。2009年4月の豚肉輸出量は、前年同月比9.8%増の約2万トンとなった。

(パラグアイ)

大豆生産が減少

 パラグアイの主要な外貨の取得源である大豆の2008/09年度のは種面積は、前年度に比べ4.6%(12万ヘクタール)減少した。業界関係者によると、その原因は「土地なし農民」と呼ばれる農民グループによる農場の不法占拠における暴力行為の増加とみられている。
ブラジル鶏肉、チリ豚肉 2009年6月の需給
【石井 清栄 平成21年8月17日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤原)
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