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豚肉の国内消費は堅調に推移(チリ)

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豚肉の国内消費の低迷は見られず

 チリ国内では現在、新型インフルエンザが流行しているところであるが、豚肉の安全性を混同した誤解も見られず、豚肉の消費は堅調に推移している。また、国内価格は、日本や韓国向け輸出が低迷した2008年末には大きく下落したが、輸出の回復とともに、以前の水準まで回復している。

(図1)国内の豚肉需要量(枝肉重量ベース)の推移
(単位:トン)
(図1)国内の豚肉需要量(枝肉重量ベース)の推移
資料:チリ農業省(ODEPA)
注:紫線は2008年7月〜2009年6月の平均値(以下のグラフ同じ)

(図2)国内の豚枝肉卸売価格の推移
(単位:チリペソ/キログラム)

(図2)国内の豚枝肉卸売価格の推移
資料:チリ養豚生産者協会(ASPROCER)

需要の冷え込みにより生産量は横ばい

 チリの豚肉生産量は近年、毎年2万トン程度(枝肉重量ベース)の増加が続いていたが、

(1) 世界的な経済危機が発生したこと
(2) 韓国においてチリ産豚肉からダイオキシンが検出されたこと
などから、日本や韓国など輸出先国の需要が冷え込み、2008年下半期頃から横ばい傾向が続いている。

(図3)豚肉の生産量(枝肉重量ベース)の推移
(単位:トン)
(図3)豚肉の生産量(枝肉重量ベース)の推移
資料:ODEPA

 また、最近の輸出状況を見ると、前述の韓国でのダイオキシン検出により、2008年第Vおよび第W四半期は、特に日本および韓国向けの輸出が大きく減少した。一方、その間、ロシア、香港など、輸出単価は比較的低いものの、需要の多い地域に仕向けることにより、輸出の大幅な減少は免れることとなった。

(図4)豚肉輸出量の推移
(単位:トン)
(図4)豚肉輸出量の推移
資料:ASPROCER
注:製品重量ベース

(参考)豚肉生産コスト

 チリでは豚肉生産のインテグレーション化が進んでおり、全体の約8割が食肉パッカー自社農場で生産されているといわれている。現在の生産コストについては、母豚飼養頭数600頭規模の一貫経営で肥育豚生体1キログラム当たり約138円、うち飼料費が76%を占めるとみられる。

(表)肥育豚生体1キログラム当たり生産コスト
(表)肥育豚生体1キログラム当たり生産コスト
【松本 隆志 平成21年8月19日発】
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