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欧州委、飼料作物収穫時における偶発的な骨片混入の容認を採択

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従前は許容量ゼロ

 欧州委員会は2月26日、飼料中に骨片の混入が検出された場合、それが飼料作物収穫時における偶発的な野生動物(ウサギ、ネズミなど)の骨片由来である場合には、飼料としての流通を容認することを採択した。これまでは、BSE対策の一環として、一部飼料で配合が認められている魚粉を除き、飼料中には動物性タンパクの混入が認められず、検出された場合には廃棄処分されていた。

EU国民の保護水準は維持されるとの判断

 欧州委員会の発表によれば、今回の措置は、2005年にBSE対策の見直しの方向性を示すため公表された「TSEロードマップ」に沿うもので、最新の科学的知見に基づき、慎重な議論の末判断されたとされている。今回の措置を講じてもEU国民に対する高い健康保護水準は維持されるとの判断がその根拠とされているが、今回の措置が必要となった背景には、近年の飼料検査技術の向上により、自然界の偶発的な骨片混入が検出されることとなり、該当する飼料全量の廃棄が避けられないという問題があったことも言及されている。

EUのBSE対策は合理化の段階へ

 2008年10月より魚粉の子牛の哺乳用飼料への配合が解禁されたほか、既報(畜産の情報2009年2月号)のとおり、2009年1月よりEU15においてBSEモニタリング検査の対象月齢が48カ月齢以上に引き上げ可能となるなど、EUのBSE対策は強化の段階から合理化の段階へと移りつつある。今後とも、リスク評価という科学的知見に基づき、EU国民の健康保護水準を維持しつつ、合理化を進める動きが続くとみられる。


(欧州委員会プレスリリース)
【前間 聡 平成21年2月27日発】
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