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今年初めより再導入された乳製品の輸出補助金が初の減額(EU)

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脱脂粉乳は全額カット、バター、全粉乳もほぼ半減に

 域内市場の悪化を受け2009年1月23日より再導入されていた乳製品の輸出補助金は、適宜強化(増額)されていたところであるが、10月22日に開催された乳業管理委員会において、再導入以降初めて減額が決定され、翌23日の官報掲載をもって適用となった。

 輸出補助金の取扱いについては、フィッシャー・ボエル委員(農業、農村担当)が10月19日の農相理事会の場で、「いつ輸出補助金をやめるかについては、国際市場の改善状況を考慮しなければならない。」と少し踏み込んで発言したことから、今回の乳業管理委員会での対応が注目されていたが、脱脂粉乳については全額カット、全粉乳は50%、バターは42%の大幅なカットとなったが、チーズは従前の単価が維持された。
(表1)主な乳製品の輸出補助金単価
(図1)
輸出補助金単価の推移
資料:欧州委員会
注:チーズはチェーダーチーズの単価を示した。

バター、脱脂粉乳の介入買い入れの応札もゼロに

 域内の乳製品市場改善を受け、バター、脱脂粉乳の介入買入の応札も10月22日の乳業管理委員会ではゼロとなった。関係者の関心は、累積した介入買入在庫の放出のタイミングと量に移っているが、19日の農相理事会の場でもボエル委員は、「介入買入在庫の放出は域内市場の改善を悪化させない責任ある方法で行うべきだとの勧告に反対ではない。」と介入買入在庫の放出に配慮する旨を改めて表明していることから、当面は域内市場に大きな影響を与えるような放出の可能性は低いとみられる。

(図2)
入札方式による介入買入数量の推移
【前間 聡 平成21年10月23日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
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