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NZ政府、農畜産物需給の現状と見通しを発表

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 ニュージーランド(NZ)農林省は7月28日、農畜産物需給の現状および2012/13年までの見通しを公表した。この中で、酪農・乳業部門と肉牛・牛肉部門における概要は次のとおり。

2008/09年度の生乳生産量は前年度比9.8%増、中期的には緩やかな増加見込み

酪農・乳業部門

 生乳生産動向について、2008/09年度(6月〜5月)の生乳生産量(乳固形分ベース)は、前年度比で9.8%とかなり増加した。この要因として、前年の乳価上昇による乳用雌牛頭数の増加、生乳生産量の3分の2を占める北島における干ばつからの回復などを挙げている。今後の見通しについては、生乳生産量は緩やかに増加し、2012/13年度までに約153万トンとなると予測している。これは、搾乳牛1頭当たりの泌乳量の増加によるところが大きい。

 生乳販売価格(乳固形分ベース)について見ると、2008/09年度の平均乳価は、国際乳製品価格の高騰により記録的な高値となった前年度に比べ31%安の5.25NZドル(336円:1NZドル=64円)となった。
しかし、過去10年間の平均値(インフレ調整後)と比べると同水準となっている。2009/10年度から2012/13年度の見通しについては、最初の2年間は、世界的な景気低迷による影響で、2008/09年度を下回るかまたは同水準で推移し、その後は、世界経済の回復見込みから、緩やかに上昇すると予測している。

 乳製品輸出について見ると、輸出額は、2006/07年度(4月〜3月)以降、生乳生産量の増加、高水準で推移した輸出価格、輸出先の多元化により、大幅に増加した。2009/10年度以降の見通しについては、NZドル為替相場の安値傾向、輸出量の増加が見込まれることから、2012/13年度までに輸出額が119億NZドル(7616億円)に達すると予測している。
乳用雌牛頭数などの推移

牛群の再構築が進むことなどから、2010年以降の牛肉生産は減少傾向の見込み

肉牛・牛肉部門

 2008年6月末における肉牛飼養頭数は、前年比6%減の410万頭となった。これは、北島の主要肉牛生産地における干ばつによる影響や、南島を中心に羊・肉牛経営から酪農などに経営転換が進んだことが挙げられる。また、2008年における干ばつなどの影響で繁殖牛が減少したことにより、2009年の肉牛と畜頭数は前年に比べ減少が見込まれる。一方、乳価の下落により乳用経産牛のとう汰が進むことから、酪農部門からと畜される牛の頭数は増加すると見込まれる。2010年以降の牛肉生産見通しについては、干ばつからの回復に伴い牛群の再構築が進むことなどから、と畜頭数は減少する見込みである。

 同国は、牛肉生産量のうち約6割を輸出しているが、最大の輸出先は加工用牛肉を主体とした米国向けである。加工用牛肉価格については、中期的には、現行水準を維持するものと予測している。これは、NZドル為替相場の安値傾向、加工用牛肉に対する堅調な需要、米国内における加工用牛肉の供給減が見込まれるためとしている。

 一方、世界的な景気低迷により牛肉の消費パターンが変化する中、高品質牛肉については、今後1〜2年は厳しい輸出環境が続くと見られる。しかし、2008/09年度(7月〜6月)の高品質肉牛価格は、為替要因や肉牛と畜頭数の減少により、前年度比でわずかに上昇した。2009/10年度以降の見通しについては、数年間は比較的安定して推移し、世界経済の回復見込みに伴い改善するとしている。
肉牛農家販売価格等の推移
【玉井 明雄 平成21年7月31日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
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