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フォンテラ、2009/10年度の乳価見込みを上方修正(NZ)

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フォンテラ、2009/10年度の生産者乳価は6.05NZドルの見込み

 ニュージーランド最大の酪農協であるフォンテラは11月9日、2009/10年度(6月〜5月)の生乳生産者に対する支払乳価(乳固形分ベース)見込みを1キログラム当たり6.05NZドル(417円:1NZドル=69円)に引き上げると発表した。同社は、今回の引き上げについて、世界経済や乳製品の国際需要は相対的に不安定ではあるが、最近の国際乳製品価格の上昇傾向を反映したものとしている。

 フォンテラによる2009/10年度の乳価見込みの上方修正は、今回が2度目となる。同社は、今年度の初期乳価について今年5月下旬、国際乳製品価格が低水準であったことなどから4.55NZドル(314円)としていた。しかし、その後、国際乳製品価格が上向いたことなどから、9月下旬、年間の平均の乳価見込みを5.10NZドル(352円)に引き上げている。
フォンテラの生産者乳価(乳固形分ベース)の推移

2009年8月以降、全粉乳のオンライン取引価格も上昇傾向で推移

 フォンテラは2008年7月から毎月、全粉乳のオンライン取引(グローバル・デイリー・トレード)を行っているが、この取引価格も2009年8月以降、上昇傾向で推移している。同社によると11月3日に行われた同取引の平均価格は、前月に比べ13.7%上昇し、1トン当たり(FASベース)3,437米ドル(312,767円:1米ドル=91円)となった。これは、取引開始以来最安値となった今年7月の価格に比べると87.9%の上昇となる。同社では、こうした価格上昇の背景として、世界的に乳製品の供給がタイトになっていることを挙げている。また、今回初めて、バターオイルのオンライン取引が行われ、平均取引価格は同4,757米ドル(432,887円)と堅調なスタートとなった。
全粉乳のオンライン取引価格の推移

乳価見込みを上方修正する一方、NZドル高などの懸念材料も

 酪農家は、今回の乳価見込みの大幅な引き上げをおおむね歓迎している。一方、フォンテラ社は、乳価見込みは大幅に上昇したが、これは、乳製品の国際市況がいかに変動しやすいかを如実に表しているもので、国際価格の上昇により主要酪農生産国が生産量を拡大し、国際価格が下落するといったリスクもあることを念頭に置くべきとしている。また、米ドルに対するNZドルの高値傾向は乳価の下方修正の要因となるが、最近の対米ドルのNZドル為替レートは、初期乳価設定時より約30%上昇しているとして、こうした為替相場も懸念材料であるとしている。
【玉井 明雄 平成21年11月12日発】
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