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2009/10年度の冬穀物生産量、前年度比6%増の見込み(豪州)

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2009/10年度の夏穀物生産見通しは、前回予測を下方修正

 豪州農業資源経済局(ABARE)は12月8日、2009/10年度(7〜6月)穀物生産見通しを発表した。これによると、夏穀物の総生産量は前年度比28%減の276万トンと、前回9月発表時の294万トンからさらに下方修正された。

 これは、夏穀物の総作付面積が前回予測に比べ1万ヘクタール程度減少し、105万ヘクタールと見積もられていることによる。品目別に見ると、ソルガムは、冬から春にかけて降水量が平年を下回ったことにより、作付けが遅れ、作付面積は前年度比16%減の63万7千ヘクタール、生産量は同40%減の159万トンと予測されている。一方、綿実は、かんがい用水の割当量が前年度より低下したものの、ほかの作物に比べ収益が高いと予測されたことから、作付面積は同24%増の20万3千ヘクタール、生産量は同13.3%増の52万8千トンと増産が見込まれている。また、かんがい用水の割当が改善されたコメの作付面積は、前年度の2.3倍の1万8千ヘクタール、生産量は同2.6倍の16万5千トンと、過去5年の平均にはほど遠いものの、かなりの増産が予測されている。
2009/10年度における夏穀物の生産見通し

冬穀物総生産量は増加も、収穫期の降雨による一部品質の低下も予測

 これに対し、冬穀物の総生産量は、前回9月発表時の3596万トンからやや下方修正されたものの、前年度比6%増の3570万トンと見込まれている。品目別に見ると、小麦が前年度比5%増の2199万トン、大麦が同8%増の829万トン、カノーラが同5%減の177万トンと見込まれている。

 また、州別に見ると、最大の生産量を誇る西オーストラリア(WA)州は、同10%減の1213万トンと見込まれている。これは、平年以下の降水量により作付面積が減少し、生育期の乾燥、また収穫期の多雨および一部地域ではひょうに見舞われたことが影響しており、一部地域では品質の低下も懸念されている。ニューサウスウェールズ(NSW)州は、春期の平年を下回る降水量、気温の上昇、一部地域では霜に見舞われたことから同19%減の756万トンと見込まれている。クイーンズランド(QLD)州は、作付面積が増加したものの冬期、春期の降水量の不足により、同26%減の153万トンと見込まれているが、11月初旬までに収穫を終え、品質は良好と伝えられている。

 一方、南オーストラリア(SA)州は、冬期(6月〜8月)および9月下旬から10月の生育期に降雨に恵まれ、同58%増の768万トンと見込まれている。また、ビクトリア(VIC)州は、春期の平年並み以上の降雨に恵まれたため、同74%増の673万トンと見込まれている。しかし、11月初旬の暑熱および収穫期の降雨により、収穫の遅れが生じ、品質の低下も予測されている。
州別冬穀物総生産量
【杉若 知子 平成21年12月11日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:井上)
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