2009/10年度の鶏肉生産は増加する見込み(豪州)
畜産物の生産は、輸出の不振などを見込んで減少すると予測
豪州農業資源経済局(ABARE)は12月15日、2009/10年度(7月〜6月)の一次産品の生産、輸出などの見通しを発表した。これによると、畜産物の生産は、生産に占める輸出割合が高い、牛肉、羊肉をはじめ、乳製品、羊毛について、減少すると予測されている。この要因についてABAREは、牛肉は、主要輸出市場での他国産牛肉との競争が激化し、輸出が減少すること、また、乳製品は、乳製品国際市場価格は昨年度に比べ回復が見込まれるものの、昨年度よりも低い生産者乳価となることが影響していると見ている。
豚肉、鶏肉の生産は増加すると予測
一方、畜産物の中でも国内消費割合の高い、豚肉生産量は、前年度比3.7%増の33万6千トンとやや増加すると予測されている。この要因は、2007/08年度は離農が進み、雌豚飼養頭数が過去40年において最低となり、その影響を受け、2008/09年度の生産量が低水準であったことが挙げられる。また、鶏肉生産量は、堅調な消費を受け、同1.4%増の87万9千トンとわずかに増加すると予測されている。
なお、過去5年の平均生産量と比較すると、豚肉は、9.7%下回る水準である一方、鶏肉は、5.5%上回り堅調に推移している。
堅調な鶏肉生産は消費量増加に起因
食肉総消費量は1980年以降、多少の増減はあるものの微増傾向で推移している。種類別に見ると、鶏肉、豚肉は増加傾向にあり、一方、牛肉、羊肉は減少傾向にある。特に、鶏肉消費は、健康および低価格志向を反映して著しく伸びており、2005年には、1人当たり年間消費量は、牛肉消費量を上回った。2008年の種類別食肉消費量を見ると、鶏肉が最も多く37.4キログラム(シェア34%)、牛肉は35.1キログラム(同32%)、豚肉は24.7キログラム(同22%)、羊肉は13.6キログラム(同12%)となっている。これを、1968年と比較すると、鶏肉は4倍、豚肉は2倍強と大幅に増加しており、一方、羊肉は約1/3と大幅に減少、また、牛肉は、15%減となっている。
【杉若 知子 平成21年12月22日発】
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