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2009年上半期のトウモロコシ生産量は前年同期をやや下回る見込み(フィリピン)

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 フィリピン農務省(DA)は、2009年上半期(1〜6月)におけるトウモロコシ生産量について、前年同期比2.6%減の321万トンになるとの見通しを公表した。2008年上半期におけるトウモロコシ生産量は、ハイブリット品種の利用拡大や耕作地の増加などにより同19.6%増の329万トンとなった。今期についても、耕作面積はミンダナオ地域の南部で大幅に増加し、全体では同0.3%増の約114万ヘクタールになると見込まれているものの、天候不順による作付への影響や肥料代の高騰に伴う肥料使用量の減少などにより、単位面積当たりの収穫量が約3%減少するとみられており、上半期における減差につながった。
表1 トウモロコシ生産量推移

種類別では白色トウモロコシは増加予測

 トウモロコシ予測生産量を種類別に見ると、主に食用に供される白色トウモロコシが前年同期比2. 8%増の91万トン、飼料用に供される黄色トウモロコシが同4.7%減の229万トンと予測されている。99年以降、主に飼料用需要の増加により同国におけるトウモロコシ生産量は増加傾向で推移しており、このうち、黄色トウモロコシの占める割合は、99年は全体の57.6%であったが2008年には67.5%まで増加している。
 2008年の生産者販売価格については、黄色トウモロコシがキログラム当たり10.24〜11.71ペソ(約22〜25円:1ペソ=2.1円)、白色トウモロコシがキログラム当たり10.15〜14.85ペソ(約21〜31円)で推移しており、特に白色トウモロコシについては、食用需要の増加により2月以降の価格が大幅に上昇した。このため、2008年における平均販売価格も、黄色トウモロコシは前年比8.1%高のキログラム当たり10.84ペソ(約23円)と3年連続で前年を上回ったが、白色トウモロコシは同17.2%高のキログラム当たり12.42ペソ(約26円)となり、黄色トウモロコシの伸び率を大きく上回った。
表2 トウモロコシ種類別生産量推移
トウモロコシ種別生産量推移
トウモロコシ生産者販売価格推移

肥料価格の高騰と他作目への転作も影響

 前述のとおり、トウモロコシの単収が減少する主な要因として、肥料価格の高騰による使用量の減少が指摘されている。化学肥料(複合肥料)については、2008年8月から10月にかけて、1袋(50キログラム)当たり1,940.26ペソ〜1,934.14(約4,075〜4,062円)で推移した。2008年11月以降は、肥料価格が低下傾向で推移していることから、DAは肥料使用による生産性の向上に期待を寄せてはいるものの、12月時点における化学肥料(複合肥料)価格は、前年同月比97.4%高の1袋当たり1,709.50ペソ(約3,590円)となっており、依然として肥料価格は高水準となっている。
 また、DAは一部地域において他作目への転換が進むと予測しており、主な転作作目としては、米、マンゴーおよびタバコなどが挙げられている。トウモロコシ価格は、2008年においても堅調に推移したものの、より収益の高い作目への転作が進むとみられている。
化学肥料(複合肥料)価格推移
表3 生産者販売価格比較
【林 義隆 平成21年2月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
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