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上州和牛、PR活動を積極展開(シンガポール)

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 シンガポールの日本食レストランで8月20日、全国農業協同組合連合会(JA全農)および全農関連会社と地元食品流通業者である Euraco Finefood Pte Ltd (ユーラコ社)の共催で、上州和牛のPRレセプションが開催された。

 この試食会は、本年5月に、2001年9月以来禁止されていた日本産牛肉の輸入が再開された(5月14日付け「海外駐在員情報」参照)ことを受け、対シンガポール輸出認定施設の一つである(株)群馬県食肉卸売市場で生産された上州和牛の、より一層の普及と浸透を図ることを目的に、ホテルやレストラン、日本食関係者など、約50人を招いて開催された。

試食に併せて上州和牛のプレゼンテーションも実施

 レセプションに先立ち、JA全農畜産総合対策部の工藤裕治次長およびユーラコ社のセバスチャン・タンマネージングダイレクター(MD)からのあいさつがあった。

 工藤次長は、「わが国が世界に誇る和牛を再びシンガポールに紹介することができて大変うれしい。近年海外においては、ヘルシー、おいしい、安全安心、高級高品質という評判での日本食ブームの広がりに伴い、その食材である日本産農畜産物が高い評価を得ている。この機を捉え、日本食文化の啓もうと日本ブランドのイメージ向上を目的としたPRを実施しながら、農畜産物の輸出拡大に取り組んでいきたい。生産者が丹精込めて作り上げた逸品である上州和牛を是非ご賞味いただきたい。」とあいさつした。

 また、タンMDは、「シンガポールに上州和牛を紹介することで、本物の日本産和牛を扱いたいという多くのシェフの要望に応えていきたい。また、最高品質の和牛肉を相応の価格で消費者に提供していきたい。そのために、顧客開拓のための定期的な販促イベントの開催、消費者やマーケットの意見の吸い上げ、商品の取り扱いなどについての技術的助言、新しいレシピやPR方法、メディア対応、国内の食品イベントへの積極的参加、日本食レストランに限らず最高の品質を求めている情熱のあるヨーロッパ、アジアレストランへの提供、といった課題について、関係者のご協力をいただきたい。」とあいさつした。
【あいさつする工藤次長】
【あいさつするタンMD】
【あいさつする工藤次長】

【あいさつするタンMD】

 レセプションでは、上州和牛をはじめ、こんにゃくやきのこといった群馬県の旬の食材を用いた和食の試食が行われた。また、(株)群馬県食肉卸売市場営業部の蜑ェ真人次長から、上州和牛の生産地である群馬県やその生産方法の特徴、安全性、おいしい食べ方や生産者などについてのプレゼンテーションが行われ、参加者の関心を集めていた。

 工藤次長は、「上州和牛にとってシンガポールは米国、カナダ、香港に続く4カ国目の輸出先。米国ではステーキ、香港ではバーベキューや焼き肉の食べ方が一般的だが、いずれの国も問題は価格が高いという点で、味に関しては受け入れられている。

 シンガポールでは、日本産ということでの安心感がある上に、味は一度食べたら認めてもらえると思っているので、鍋系統の食べ方も含めて提案したいし、カジノ総合リゾートの開業にも期待している。」と語った。

【上州和牛と群馬県食材の展示】
【上州和牛と群馬県食材の展示】
【上州和牛の試食品】
【上州和牛の試食品】
【上州和牛のプレゼンテーションの様子】
【上州和牛のプレゼンテーションの様子】

プロモーションも好反応

 レセプションに続き、21日から23日の3日間、6月から上州和牛を取り扱っている日系スーパーマーケット、伊勢丹シンガポールにおいて、試食を含む上州和牛のプロモーションが実施された。

 週末に開催されたこともあり、現地の消費者の反応は上々とのことで、担当者は、「準備した試食用のサンプルの減りが、想像以上に速い。初めは上州和牛の味を知ってもらおうと塩コショウだけで味付けをしていたが、現地の方は濃い味付けが好みのようで、いろいろな食べ方の提案ができると感じた。また、まとめ買いをしていく人が多いのにも驚いた。」と語った。

【プロモーションの様子】
【プロモーションの様子】
【佐々木 勝憲 平成21年8月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
Tel:03-3583-9534