日本産牛肉輸入再開へ(タイ)
日タイ間で日本産牛肉の輸出条件に合意
厚生労働省と農林水産省は10月30日、タイ政府との間で日本産牛肉の輸出条件について合意に達したと発表した。
タイ政府は、2001年9月に日本で牛海綿状脳症(BSE)が発生したことから、日本産牛肉の輸入を禁止していた。
輸入禁止以前には、日本からタイに、1998年に147キログラム、1999年に163キログラム、2000年に47キログラムの牛肉が輸出されていた。
タイ向け輸出施設は日本側で認定
今回合意された輸出条件によれば、輸出を希望すると畜場等(と畜場および食肉処理場)は、
(1) |
と畜場等がと畜場法及び食品衛生法に基づく許可を受けており、と畜場法及び食品衛生法等の関係法規を遵守していること |
(2) |
食肉処理場がと畜場に併設されており、とさつ・解体から分割まで一貫して行われていること |
などの条件を満たした上で、当該施設を所管する都道府県等への申請後、都道府県等による輸出施設の選定、厚生労働省による確認とタイ政府への通知などの手続きを経て、当該施設で生産された牛肉をタイに輸出することができるようになる。
また、輸出可能な牛肉の主な条件は、
(1) |
30カ月齢未満の牛由来であること |
(2) |
骨なし肉であること |
(3) |
特定部位(せき髄、頭蓋、脳、目、三叉神経節、背根神経節、扁桃、回腸遠位部およびせき柱)を含んでいないこと |
である。
タイ向け輸出可能施設の認定はこれから
タイの2007年の牛肉消費量は、国民1人1年当たり約2.1キログラムであった。これは、鶏肉や豚肉に比べて高価なことや食習慣の影響により、鶏肉の同約17.0キログラム、豚肉の同約8.3キログラムと比較すると少ないものの、経済の発展や、都市部での外食による消費の浸透により、近年増加傾向で推移している。
タイ肉用牛協会(Beef Cattle Association of Thailand)では、今回の日本産牛肉輸入再開について、高品質の日本産牛肉は高級レストランやホテルといった一部の富裕層向けであり、国内産の牛肉とはすみ分けができるため、タイ国内の生産への影響は限定的であるとみている。
【佐々木 勝憲 平成21年11月4日発】
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