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米国農務省、2009年産のトウモロコシ作付予測面積を下方修正

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 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)は3月31日、2009年産の主要穀物の作付面積を予測する「Prospective Planting」を公表した。これは、3月上旬に約86,000戸の農家を対象に行った作付品目の意向調査の結果をまとめたものであり、農家調査を踏まえたものとしては、本年初めての予測となる。

 2009作物年度の穀物作付面積については、2月12日に農畜産物需給の長期見通し(いわゆる「ベースライン」)が公表され、さらに2月27日に農業予測会議の資料として短期の飼料需給の見通しが公表されていた。しかし、USDAが予測するトウモロコシの作付面積が民間調査機関の予測値を大きく上回っていたことから、今回の調査結果が注目されていた。

 今回の調査結果によると、2009年のトウモロコシの作付面積は8,498万6千エーカーで、前年実績の8,598万2千エーカーを1.2%下回ると予測されている。これは、2月27日にUSDAが公表していた8,600万エーカーの予測値を大きく下方修正するものだが、民間調査機関の中には8,100万エーカー台まで低下するとの見方もあったため、全般的には、市場の予想の範囲内だったと言える。

 一方、大豆の作付面積は7,602万4千エーカーで、前年実績の7,571万8千エーカーを0.4%上回ると予測されている。しかし、今回の予測値は2月27日に公表されていた予測値(7,700万エーカー)を下回っており、8,000万エーカー超えの予測もあった民間調査の結果とは、大きく異なる結果となっている。また、小麦の作付面積は前年を7.1%下回る5,863.8万エーカーに減少すると予測されている。

 近年減少傾向が続いてきた牧草の収穫面積については、6,029万7千エーカーと前年を0.4%上回ると予測されている。このうち、日本への輸出が多い西部地域について見ると、北部のワシントン州、オレゴン州、アイダホ州で前年を上回る収穫面積が予定されているのに対し、その南に位置するカリフォルニア州やネバダ州では前年を下回ると予測されている。

 5月以降、USDAは2009年産の穀物の需給予測を毎月更新していくことになる。また、6月末には、作付けの進捗状況などの現地調査結果を踏まえた、作付面積と収穫面積の予測値も公表される。世界的な景気の低迷や米国内の家畜飼養頭数の減少などにより、順調に拡大してきた穀物需要には陰りが見られるが、その一方で、米国以外の主産地の不作など供給側の不安定要因も解消されていない。2009年産の飼料穀物の需給とシカゴの先物取引価格に関する米国の関係者の関心は、作付けを前に一層高まっている。
主要穀物の作付面積の推移
【郷 達也 平成21年3月31日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤井)
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