5年ぶりに実施された米国の乳製品輸出補助金の入札結果
米国政府が約5年ぶりに再開した乳製品への輸出補助金(乳製品輸出奨励事業(DEIP)注)の入札が、6月29日をもって締め切られた。米国農務省(USDA)によると、今回の入札は、脱脂粉乳68,201トンの募集数量に対して契約成立数量は20,025トン(充足率29%)、乳脂肪(バター、バターオイル等)10,000トンの募集数量に対して契約成立数量は1,862トン(充足率19%)、チーズ3,030トンの募集数量に対して契約成立数量は152トン(充足率5%)という結果となっている。
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米国の乳製品輸出奨励事業(DEIP)は、欧州の補助金付き輸出に対抗するため1985年5月に開始されたものであり、民間が行う乳製品輸出に対して単位数量当たりの輸出補助金を交付する事業である。2004年を最後にDEIPの実施は見送られていたが、EUの輸出補助金交付への対抗措置として、本年6月に再開に踏み切った経緯がある。
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生産者団体は2009年7月以降のDEIPの実施をUSDAに対して要請
今回行われたDEIPの事業年度は、2008年7月から2009年6月までとなっており、現段階で、USDAは同事業の次年度以降の継続について立場を明らかにしていないが、全米生乳生産者協議会(NMPF)は、DEIPが完全に活用されれば、国内市場から17億ポンド(約77万トン)の生乳が除去され需給改善の効果があることから、7月1日以降も同事業を継続するようUSDAに対して要請しているところである。
【上田 泰史 平成21年7月1日発】
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