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米国農務省、2009/10年度の飼料穀物の生産予測量を上方修正

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米国の2009年産トウモロコシの生産予測量は上方修正、価格は低下見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が7月10日に公表した7月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2009/10穀物年度(2009年9月〜2010年8月。以下、「2009/10年度」)のトウモロコシ生産量は、前月の予測(119億3500万ブッシェル)を引き上げて、前年度を1.6%上回る122億9,000万ブッシェルになると上方修正した。

 これは、6月30日に同省全国農業統計局(USDA/NASS)から公表された2009/10年度のトウモロコシの作付面積が前月の予測より200万エーカー増加したことが要因となっている。

 一方、2009/10年度のトウモロコシ国内消費量は、前月の予測を1500万ブッシェル引き上げ105億7500万ブッシェルとした。これは食品・種子・その他工業向けが3500万ブッシェル減少するものの、トウモロコシの供給増に伴う価格低下により飼料等向けが5000万ブッシェル増えると見込まれていることを理由としている。

 前月の予測から生産量が3億5500万ブッシェル増加した一方、総消費量が6500万ブッシェル増にとどまったことなどから、2009/10年度の期末在庫は4億6000万ブッシェル上方修正され15億5000万ブッシェルとなった。このように需給が前月予測と比べ緩和傾向となったことから、2009/10年度の生産者販売価格は前月の予測より1ブッシェル当たり0.55ドル低下し3.35〜4.15ドルになると予測されている。

2009年産大豆も生産量は上方修正、価格は低下見込み

 2009/10年度における米国の大豆の需給見通しについては、大豆生産量も、前月の予測(31億9500万ブッシェル)を引き上げて、前年度を10.2%上回る32億6000万ブッシェルになると上方修正した。

 これは、大豆においても6月30日にNASSから公表された2009/10年度の大豆の作付面積が前月の予測より150万エーカー上方修正されたことが要因となっている。

 また、国内搾油向けが500万ブッシェル、輸出向けが1500万ブッシェル増加するなど総消費量は2300万ブッシェル上方修正されたものの、生産量の増加分6500万ブッシェルには及ばず、2009/10年度の期末在庫は4000万ブッシェル増の2億5000万ブッシェルと見込まれている。

 このように需給が前月と比べ緩和傾向となったことから、2009/10年度の生産者販売価格は、前月の予測より1ブッシェル当たり0.70ドル低下し8.30〜10.30ドルになると予測されている。
(表)米国における主要飼料穀物の需給見通し
(参考)世界の主要飼料穀物の需給見通し
【中野 貴史 平成21年7月10日発】
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