米国農務省、2009年産トウモロコシの生産量予測をさらに引き上げ、大豆生産量は先月の史上最高の予測を更新（北米）

　米国農務省世界農業観測ボード（USDA／WAOB）が10月9日に公表した10月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2009/10穀物年度（2009年9月〜2010年8月。以下、「2009/10年度」）のトウモロコシ生産予測量は、10月1日現在の全国作況調査を反映して、前月予測（129億5400万ブッシェル）を6400万ブッシェル引き上げて、前年度を7.6％上回る130億1800万ブッシェルになると予測されている。

　生産予測量が上方修正された要因としては、9月はコーンベルト南部からグレートプレーンズにかけての天候が暖かく乾燥し、穀物の生育に良好な環境となったことから、1エーカー当たり収量が、前月予測（161.9ブッシェル）から2.3ブッシェル引き上げられ、前年度を6.7%上回る164.2ブッシェルに上方修正されたことなどが挙げられる。これは先月予測した単収の史上最高値を更新することとなる。また、生産量は史上最高を記録した2007/08年度とほぼ肩を並べて、わずかに2000万ブッシェル下回る数値となっている。

　同報告では、2009/10年度のトウモロコシの総供給量は前年度を7.0％上回る147億200万ブッシェルと予測されている。一方、トウモロコシの輸出量はカナダ産飼料穀物の輸出増などに伴い競合が激化することにより5000万ブッシェル減少すると見込まれているものの、消費量は飼料等向けとして5000万ブッシェル、砂糖の供給減から甘味料向けに500万ブッシェル増えることから、総消費量は500万ブッシェル増となる。また、期末在庫は前月の予測を3700万ブッシェル上回る16億7200万ブッシェルとされている。生産者販売価格は前月の予測と変わらず1ブッシェル当たり3.05〜3.65ドルになると予測されている。

　一方、大豆の需給見通しについては、1エーカー当たりの収量が前月の予測を0.1ブッシェル上回る42.4ブッシェルとなり、生産量は前月予測した史上最高となる32億4500万ブッシェルをさらに500万ブッシェル引き上げて32億5000万ブッシェルと前年度を9.5％上回るものと予測されている。大豆の単収は、史上3番目に高い値が予測されている。

　消費量については、特に中国において輸入需要が高いことから輸出向けを2500万ブッシェル引き上げるなど総消費量は2400万ブッシェル上方修正されている。しかしながら、期首在庫と生産量が上方修正されたことから、2009/10年度の期末在庫は前月の予測から1000万ブッシェル増の2億3000万ブッシェルと予測されている。

　この結果、2009/10年度の生産者販売価格は、前月の予測より1ブッシェル当たり0.10ドル下げて8.00〜10.00ドルになると予測されている。