EU、牛乳乳製品プロモーション活動に18百万ユーロを支援
11カ国による13のプロモーション活動に約18百万ユーロを投ずる
欧州委員会は1月19日、11加盟国が提出した牛乳乳製品のプロモーション活動に関する13のプログラムを採択した。この予算額は、3年間で総額約3586万ユーロ(約46億26百万円 1ユーロ=129円)となっており、その50%に相当する約1793万ユーロ(約23億13百万円)をEUが補助することとなっている。
EUによる支援は、農産物のプロモーション活動に関する規則(EC501/2008)に基づき実施されるが、個別のプロモーション活動の申請については、通常、その内容を各関係団体(実施主体)が当該加盟国に2月15日までに提出することとなっている。しかし、昨年7月に決定した酪農危機に対する施策の中にこれを前倒しすることが盛り込まれたことから、その提出期限を2009年10月15日まで、この提出を受けた各加盟国は同10月末までに同委員会へ提出することとなっていた。
同規則のうち牛乳乳製品のプロモーション活動については、
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牛乳消費量の増加が期待できる市場における消費拡大および飽和市場においてはその消費量の維持 |
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乳製品の消費拡大 |
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将来、消費者となる若年層をターゲットとした牛乳乳製品の消費拡大 |
を目的として、(1)子供や若年層(特に8〜13歳までの女児)、(2)さまざまな年齢層の女性、(3)高齢者を対象に、牛乳乳製品が健康的かつ自然食品であることや現代の食生活に適していること、またこれら特定の年齢層には非常に有益な栄養源となるなどのメッセージを、メディア、病院、学校などを通じて紹介するものである。
消費拡大が酪農危機のさらなる改善につながることを期待
プログラムの採択に当たり、同委員会のフィッシャー・ボエル委員(農業・農村開発担当)は、「昨今の酪農危機は、これまで欧州委員会が導入した対策により、昨夏以降かなりの改善が見られたことをうれしく思う。
今回採択したプロモーション活動がこの改善の下支えとなることを期待しているが、牛乳乳製品がバランスのとれた健康に良い食事を構成する重要な食材の一つであることから、その消費の拡大のために全力を尽くすことも重要である。」とコメントしている。
【小林 奈穂美 平成22年1月25日発】
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