畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2010年 > 米国農務省、2009年産のトウモロコシと大豆の期末在庫見通しを下方修正

米国農務省、2009年産のトウモロコシと大豆の期末在庫見通しを下方修正

印刷ページ
 米国農務省(USDA)は2月9日、2009/2010穀物年度(2009年9月〜2010年8月)における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。USDAは、トウモロコシと大豆の生産量については前月の予測値を据え置くとともに、需要量をそれぞれ前月の予測値から引き上げ、期末在庫見通しを下方修正した。

トウモロコシの推定需要量はエタノール需要により増大。期末在庫をわずかに下方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が公表した2月の世界農産物需給推計の月次報告によると、2009/10穀物年度の米国のトウモロコシ需要予測量は前月から4500万ブッシェル引き上げられ、131億1500万ブッシェル(前年度比8.8%増)になるとされている。用途別に前月予測量と比べると、食品加工向けは甘味料の需要低迷などにより500万ブッシェル減、輸出向けは競合する輸出国アルゼンチンの増産により5000万ブッシェル減、エタノール向けが1億ブッシェル増えており、これにより需要予測量が引き上げられている。

 また、需要予測量が引き上げられたが、生産予測量は据え置かれているので、その分2009/10年度末の在庫予測量が4500万ブッシェル引き下げられ、17億1900万ブッシェルに下方修正された。USDAは2009/10年度の平均農家販売価格は、前月の予測価格の下値を0.05ドル/ブッシェル上げ、上値を0.05ドル/ブッシェル下げて3.45〜3.95ドル/ブッシェルになると予測している。

大豆は国内外の需要予測量を上方修正し、期末在庫を下方修正

 一方、2009/10穀物年度の米国の大豆需要予測量は前月から3500万ブッシェル引き上げられ、32億9700万ブッシェル(前年度比8.2%減)になるとされている。これを用途別に見ると、国内搾油向けが大豆ミールの輸出需要を受けて前月から1000万ブッシェル引き上げられる一方、輸出向けについては競合する南米の輸出国の昨年の干ばつによる旧穀が依然タイトなことから、2500万ブッシェル引き上げられている。

 以上のような需給状況を反映して、2009/10年度末の在庫予測量は、前月から3500万ブッシェル引き下げられ、2億1000万ブッシェルに下方修正されている。USDAは2009/10年度の平均農家販売価格を8.70〜10.20ドル/ブッシェルとしており、前月予測から0.20ドル/ブッシェル下方修正している。
(表)米国における主要飼料穀物の需給見直し(2010年2月9日米国農務省公表)
(参考1)世界の主要飼料穀物の需給見通し(2010年2月9日米国農務省公表)
(参考2)世界の主要飼料穀物の国別需給見直し(2010年2月9日米国農務省公表)
【中野 貴史 平成22年2月9日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤井)
Tel:03-3583-9532