豚 肉

豚 肉



◇図1:豚肉の生産量◇

5 月−70,748トン(▲1.9%)

・母豚頭数は微増だが、市場開催日が前年同月より少なかったこと等もあり、4
 カ月ぶりに前年同月を下回る。

・と畜頭数は、1,331千頭(▲3.4%)と 6 カ月ぶりに前年同月を下回る。

・ 平均枝肉重量(全国平均)は、75.9kg/頭(1.6%)と前年同月をわずかに上
 回る。

肉豚生産出荷予測

資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成10年 6 月30日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇

5 月−42,916トン(25.2%)

・前月より3千トン減だが、引き続き4万トン台で4カ月連続で前年同月を上回
 る。

・冷蔵品は、テーブルミートの一定需要等から、11,622トン(▲13.8%)と1万
 トンを超えているが、 3 カ月ぶりに前年同月を下回る。

・冷凍品は、基準輸入価格が引き下げられた前月に続き、31,294トン(50.5%)
 と3万トンを超える。韓国が6,361トン(196.6%)と前月に引き続き前年同月
 を大幅に上回る。


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇

5 月 米国産−16,059トン(13.4%)

・冷蔵品は、8,828トン(▲14.5%)と、11カ月ぶりに前年同月を下回る。冷蔵品
 全体の76.0%を占める。

・冷凍品は、7,231トン(88.3%)と SG発動下で激減した前年同月を大幅に上回
 る。
デンマーク産−8,104トン(4.7%)

・SG解除の 9 年 7 月に激増し、その後、減少し、基準輸入価格が引き下げられ
 た前月から再び増加。

・冷凍品は、全体の25.9%を占める。


◇図4:豚肉の推定出回り量◇

5 月−121,587トン(1.4%)

・国産品は、生産量の減少を受けて、72,159(▲3.2%)と前年同月を下回る。
・輸入品は、49,428トン(8.9%)と 2 カ月連続で前年同月を上回る。


◇図5:豚肉の家計消費量(1人当たり)◇

5月の家計購入量−396g/人(▲0.3%)

・前月、前年同月比で増加となったが、再び、牛肉、鶏肉とともに、前年同月を
 下回る。

4月の加工仕向肉量−33,661トン(▲0.3%)

・国産品は、11,175トン(2.6%)と 3 カ月ぶりに前年同月を上回る。
・輸入品は、22,486トン(▲1.7%)と、 4 カ月ぶりに前年同月を下回る。


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇

5月−94,413トン(▲19.5%)

・輸入品在庫は、74,944トン(▲24.8%)と 9 年  06 月以来11カ月ぶりに8万
 トンを割る。

・在庫率(在庫量/推定出回り量)は、0.78カ月と 3 カ月連続で 1 カ月分を下
 回る。


◇図7:豚肉の卸売価格(東京・省令)◇

5月−480円/kg(▲4.6%)

・連休明けから、在庫補充の動き等で堅調に推移。01日当たりの出荷頭数が7万
 頭を割る日も多く、500円を越える日もあった。

・台湾産豚肉の輸入禁止措置等で高水準であった前年同月を下回る。

6月(速報値)−575円/kg(▲2.5%)

・月半ばに、 1 日当たりの出荷頭数が 6 万頭を割り、600円を超えた日が 2 日
 程あったが、それ以外は、500円台半ばで推移。


◇図8:国産豚肉の仲間相場(冷凍品)◇

5 月	冷凍品「うで」−434円(▲7.6%)
	 同 「もも」−452円(▲9.8%)

・うでは、前月に引き続きやや値を上げるが、30カ月連続で前年同月を下回る。
・ももは、 8 年10月から連続して前年同月を下回って推移。


◇図9:輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品) 米国産ロース◇

5 月  米国産「ロース」−704円/kg(▲16.5%)

・ 9 年10月から前年同月を下回って推移しているが、 5 月はやや値を戻す。
・米国産「ヒレ」も、前年同月を下回る水準で推移。


◇図10:輸入豚肉の仲間相場(冷凍品) デンマーク産ばら◇

5 月デンマーク産「ばら」−566円/kg(▲22.9%)

・ 9 年 2 月から前年同月を上回って推移したが、9 年11月から下回って推移。

・基準輸入価格の引き下げもあり、9年5月をピークにおおむね低下傾向で推移。

・前年は、在庫の減少やオランダでの豚コレラ発生によるEU域内の品不足の影響
 等を受け高水準であったこと等から、引き続き前年同月を大幅に下回る。



トピックス
養豚経営に対する将来の意向13.5%が「拡大」、61.5%が「現状維持」

◇図11:養豚経営に対する地域別将来の意向◇

◇図12:経営形態別将来の意向◇

◇図13:将来の意向に対する理由(複数回答)@ABC

◇図14:将来の意向別経営を続けていく上で望むこと(複数回答)@ABC

 社団法人中央畜産会は、「養豚経営実態調査報告書」(指定助成対象事業、養
豚経営安定推進指導事業)を公表した。

 調査は10年 1 月に実施され、集計された調査表の総数は全都道府県で2,011件
である。

 経営形態の「家族経営」は家族労働力が主体のものであり、「協業経営」は家
族労働を主体とした協業によるものであり、「会社経営」は雇用労働力が主体の
ものである。

 養豚経営に対する将来(おおむね5年後)をどのように考えているかの問いに、
「拡大」が13.5%、「現状維持」が61.5%、「縮小」が10.0%、「やめる」が15.
0%である(図11)。

 地域別にみると、「拡大」意向については、沖縄が19.1%、四国・九州が約16
%と多く、北海道が14.3%となっている。「縮小」は、近畿が17.1%、東北・関
東、北海道がそれぞれ約12%となっている。また、「やめる」は北海道が27.3%
と一番多く、次いで東北が24.7%となっている。

 将来の意向を経営形態別に見ると、「拡大」は「家族経営」が11.4%、「協業
経営」が21.0%、「会社経営」が30.9%となっている(図12)。

 「縮小」、「やめる」は、「家族経営」では、それぞれ、10.8%、16.7%であ
るが、「会社経営」では、それぞれ、3.1%、2.6%と少ない。

 将来の意向に対する理由を全経営を対象に見ると、「拡大」意向で一番多いの
は、「収入を増やしたい」の63.6%(複数回答、割合=回答数/回答者実数)で
あり、次いで「豚舎・施設等を新しくした。または更新を考えている」が45.2%
となっている(図13)。

 「現状維持」意向で一番多いのは「養豚の先行きが暗い」の36.7%であり、次
いで「豚舎・施設が老朽化した」の28.0%である。

 「縮小」意向で一番多いのは「豚舎・施設等が老朽化した」の55.7%であり、
次いで「養豚の先行きが暗い」の54.2%である。

 「やめる」意向で一番多いのは「養豚の先行きが暗い」の52.0%、次いで「豚
舎・施設等が老朽化した」の50.3%で、「縮小」意向と同様にこの 2 つが多い。

 将来の意向別で経営を続けていく上で望むことでは、全体の86.0%(複数回答、
割合=回答数/回答者実数)の経営者が「豚価の安定」を望んでいる。

 意向別では「拡大」意向者においては、「豚価の安定」が76.7%、次いで「低
利資金の融資」、「と畜経費の軽減」がいずれも34.9%となっている。他と違い、
規模拡大のための低金利融資を強く望んでいることがわかる(図14)。

 「現状維持」意向者においては、「豚価の安定」が87.7%、次いで、「飼料等
生産資材の安定供給」が33.6%、「と畜経費の軽減」が24.7%となっている。

 「縮小」意向者においては、「豚価の安定」が86.9%、次いで、「飼料等生産
資材の安定供給」が36.1%、「優良種豚の安定供給」が21.9%となっている。


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