牛 肉・肉用子牛

牛 肉



◇図1:牛肉の生産量◇

5 月−28,046トン(▲3.6%)

・ 7 年 1 月以降、基調としては減少傾向。 9 年度は、3.2%減。
・枝肉重量は、わずかながら増加傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇

5 月の和牛−43,360頭(▲4.4%)
   乳牛−53,988頭(▲5.8%)

・和牛は、めすが微減傾向、去勢が微増傾向の中、5月はめすが6.7%減、去勢も
 2.0%減。

・乳牛は、減少傾向が続き、 1 割以上減少した前年同月を更に下回る。


◇図3:牛肉の輸入量◇

5 月−67,721トン(47.9%)

・冷蔵品は、総じて需要見合いの輸入量で前月に引き続き前年同月を、やや下回
 る。

・冷凍品は、4月からの関税引き下げの影響もあり、大幅に減少した前年同月の
 約2.2倍。

輸入見込数量(事業団調べ)



◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇

5 月の米国産−35,056トン(67.1%)

・冷蔵品、冷凍品ともに、ばらの伸びが顕著。冷凍品は、大幅減少の前年同月の
 2.5倍。

   豪州産−28,389トン(28.5%)

・冷蔵品は、9年12月以降、減少傾向。加工用主体の冷凍品は、大幅減少の前年
 同月の 2 倍。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

5 月−84,866トン(7.8%)

・ 2 月以降、前年同月を上回って推移。

・国産品は生産量の減少を受けて減少傾向、輸入品は消費回復を受けて増加傾向
 で推移。


◇図6:牛肉の家計購入量( 1 人当たり)◇

5 月−270g/人(▲2.0%)

・9年11月までは、かなり減少した前年同月を上回り、回復傾向だったが、12月
 以降は、消費支出が低迷する中で、 6 カ月連続して下回る。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

5 月−103,000トン(10.6%)

・輸入量増加で、輸入品在庫が増加し、 6 カ月ぶりに10万トンを超える。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇

5 月−1,050円/kg(▲5.9%)

・生産量の減少傾向、国産品志向等から引き続き高水準にはあるものの、景気低
 迷の影響もあり、 01 月以降前年同月を下回って推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(東京・和牛去勢)◇

5 月のA5−2,462円/kg(3.3%)

・前月、約 1 年ぶりに前年同月を下回ったが、 50月は再び上回る。

   A3−1,614円/kg(2.7%)

・前月、前年同月をわずかに下回ったが、5月は再び上回る。A2 は、 1 月以降
 低下傾向。


◇図10:牛肉の卸売価格(東京、乳去勢、F1去勢)◇

5 月の乳去勢B2−640円/kg(▲19.4%)

・頭数減で手当てしにくく、量販店需要が他品目へ移行していること等から、前
 年同月を大幅に下回る。

   F1 去勢B3−1,302円/kg(2.8%)

・ 5 月は前年同月をわずかに上回るが、 2 月、 04 月と下回り、ほぼ 1 年半
 にわたる上昇傾向(前年同月比)も一服か。B2 は 9 年11月から低下傾向。


◇図11−1:米国産牛肉の仲間相場◇

◇図11−2:豪州産牛肉の仲間相場◇

5 月の米国産冷蔵リブアイロール1,767円/kg(1.5%)

・ロイン系は総じて前年同月を上回る。

   豪州産冷蔵グラス・フルセット−553円/kg(2.0%)

・ 8 カ月ぶりに前年同月をわずかに上回る。総じて、落ち着いた値動き。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇

5月の頭数−36,836頭(▲5.0%)

・母牛の頭数減少等から、減少傾向続く。

5月の価格−360千円(▲0.9%)

・前年同月比で、おすは0.8%安、めすは1.6%安。

・基調としては、8年11月以降、前年同月比でわずかながら低下傾向。おすに比
 べ、めすの低下率が大きい。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇

5 月の子牛価格−89千円(▲26.1%)

・取引頭数大幅減少だが、9年10月以降低下傾向。枝肉価格の低下もあり、2年
 ぶりに10万円を割り込んだ前月よりも 7 千円下げる。

   ヌレ子価格−21千円(▲58.4%)

・子牛価格の低下もあり、前年同月を大幅に下回り、前月より 5 千円下げる。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇

5 月の子牛価格−190千円(▲7.1%)

・枝肉価格の低下もあり、 9 年 9 月以降前年同月比で低下傾向。9カ月ぶりに
 20万円を割り込んだ前月よりも 7 千円下げる。

   ヌレ子価格−91千円(▲20.8%)

・ 9 年12月に10万円を割り込み、 1 月以降前年同月比で、低下傾向に転じる。


トピックス
低下傾向に転じたF1の枝肉価格

◇図15:牛肉の卸売価格(東京、対前年同月比)◇

◇図16:牛肉の卸売価格(東京、対前年同月比)◇

◇図17:F1子牛の取引頭数と価格(対前年同月比)◇

 F1去勢の枝肉価格は、 7 年11月以降、国産品の見直し、値頃感等から、和牛
中級品の上昇を追う形で、一貫して前年同月を上回って推移してきた。

 しかし、 2 年近く上昇傾向が続いたこと、価格的に競合する和牛去勢A 2 と
乳牛去勢B 2 がそれぞれ低下傾向に転じたこと等から、F1去勢はB2が9年9月
以降連続して、B 3 も10年 2 月、 4 月、 6 月と前年同月を下回っている(図
15、16)。市場への供給量の増大( 90 年、10年と飼養頭数は前年比2割以上の
伸び)も、価格に何らかの影響を与えていると考えられる。

 F1子牛の取引は、取引頭数の急拡大にもかかわらず、極めて堅調に推移して
きた。しかし、枝肉価格が落ち着き、一部前年同月を下回ってきたこと、市場へ
の子牛供給頭数が高水準であったこと等から、9年 60 月以降、取引価格は前年
同月を下回って推移している(図17)。


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