需給動向 国内 |
国産卸売価格が高止まる中、5月の輸入量は国内生産量を上回る |
財務省の「貿易統計」によると、平成20年5月の冷蔵・冷凍豚肉の輸入量は75,993トン(前年同月比6.2%増)と先月に続いて7万トンを超え、特にアメリカからの輸入量が増加傾向にあった。一方、卸売価格が高値を維持している国産品については、例年、生産量が輸入量を上回って推移するが、今年度に入ってからは輸入量が国内生産量を上回り、生産量が70,256トン(同5.1%減)となった(図3)。また、20カ月連続で1万トン台で推移してきた国産品の推定期末在庫量は、5月は22,236トンとなり、前年同月比も21.0%増となった。輸入品の推定出回り量も国産品をおよそ4,000トン上回り、前年同月比16.0%増となった。国産志向の高まりを背景に、特に加工品の原料となるももやうでなどの低級部位の引き合いが強く、さらに東京市場では、枝肉規格の等外が、通常は200円後半から300円前半で推移するところが、4月は300円後半から400円台で推移し、6月には一時500円台を突破するなどの状態にある(図4、5)。輸入量の増加が今後国産品の価格にどのような影響を与えるか動向が注目される。 図3 推定期末在庫量、生産量及び輸入量の推移 図4 国産豚肉(冷蔵)の仲間相場(卸売価格)の推移 図5 枝肉規格別で等外クラスの価格推移 |
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