需給動向 国内

◆牛 肉◆

平成20年度上半期の牛肉貿易、輸入は前年並みも輸出は急増


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成20年9月の牛肉輸入量は生鮮・冷蔵16,086トンと前年同月をやや下回る(3.4%減)水準にとどまったものの、冷凍が急増した前年同月を大幅に下回る20,350トン(同25.7%減)となったことから、合計では前年同月を17.2%下回る36,504トンとなった。

 また、20年度上半期(4月〜9月)の牛肉輸入量を見ると、生鮮・冷蔵が104,532トン(前年同期比6.6%減)、冷凍が140,945トン(同6.0%増)となり、合計では前年同期とほぼ同水準の245,758トンとなった。

 中でも20年度上半期の主な国別の輸入量(生鮮・冷蔵と冷凍の合計)を見ると、豪州産が189,980トン(前年同期比5.1%減)とやや下回ったが、米国産は30,754トン(同63.5%増)と大幅な増加となり、大手量販店などで米国産の牛肉が徐々に受け入れられていることがうかがえる(図1)。

図1 牛肉輸入量の国別内訳

 一方、20年9月の牛肉輸出量を見ると、生鮮・冷蔵で14.0トン(前年同月比18.5%減)、冷凍は48.7トン(同403.6%増)となり、合計で62.6トン(同133.8%増)と急増している(図2)。

図2 牛肉輸出量の推移

 また、20年度上半期では、生鮮・冷蔵が98トン(前年同期比33.3%増)、冷凍が193トン(同654.5%増)、合計で290.9トン(同192.9%増)と前年同期と比べ約3倍の増加となった。輸出先別に見ると、第1位のベトナムが185.9トン(同726.7%増)、香港が53.2トン(同82.8%増)、米国が45.7トン(同3.8%増)とベトナム向けの増加が際立っている。なお、冷凍牛肉はベトナム、香港、マレーシアなどの東南アジア向けの輸出が大部分を占めており、輸出量が急増している背景には、国内消費が低迷する中、新たな販売先として海外の富裕層を対象とした動きがあるものと考えられる。しかし、ここに来て世界的な金融不安と円高の影響などで今後どのような動きとなるか注目される。


元のページに戻る