需給動向 国内

◆牛 肉◆

平成19年度牛肉輸入量、豪州産の減少により前年度を0.9%下回る


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成20年3月の牛肉輸入量は、生鮮・冷蔵が前年同月をかなりの程度下回る17,268トン(前年同月比12.2%減)、冷凍が前年同月をやや上回る23,191トン(同4.6%増)となり、合わせて40,502トン(同3.4%減)となった。この結果、19年度の牛肉輸入量は、生鮮・冷蔵が209,394トン(前年度比6.3%減)、冷凍が252,973トン(同4.0%増)となり、合計で前年度を0.9%下回る463,141トンとなった。

 国別の輸入量を見ると、豪州産が380,221トン(前年度比7.2%減)と前年度をかなりの程度下回ったものの、米国産が36,548トン(198.7%増)と約3倍の増加となったことから、豪州産の減少分が補われる結果となった。国別の総輸入量に占めるシェアは、豪州産が前年度から5.6ポイント減の82.1%、米国産が5.3ポイント増の7.9%となった(図1)。豪州産について見ると、19年の牛肉生産量は前年比0.4%減、輸出量(船積重量ベース)が同1.3%減の一方で、日本向け輸出量は同6.9%減となっている。

図1 牛肉輸入量の国別内訳

 米国産は、輸入量自体が少ないものの、「需要のすそ野は広がっている」との見方もあり、現地輸出指標価格が高値で推移する豪州産と価格差が縮小している点も米国産に対する需要喚起の一因になっているものとみられる。米国産の牛肉輸入価格(CIF価格)は、19年度中おおむね下落傾向で推移し、19年度平均でキログラム当たり636円(前年度比4.0%安)となった。米国産牛肉輸入量の約4割を占める冷凍ばらの輸入価格を見ると、特に2月以降米ドル安が進んだことなども影響し、同500円(同11.0%安)となっている。この結果、豪州産冷凍ばらとの価格差は、4月の同201円から3月には同101円と縮小している(図2)。

図2 牛肉輸入価格 国別の推移


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