当機構調べによる肉用子牛取引価格が、下落を続けている。平成20年6月の取引価格を見ると、黒毛和種が雌雄平均1頭当たり39万5千円(前年同月比19.0%安)と5年ぶりに40万円台を下回り、ホルスタイン種が同9万9千円(同12.7%安)、交雑種が同15万3千円(同34.1%安)といずれも前年同月を大きく下回った(図1)。
黒毛和種の子牛取引価格は、16年度以降、枝肉卸売価格の高値が続いたことを背景におおむね上昇傾向で推移し、16年1月から19年4月まで40カ月連続で前年同月を上回る水準で推移した。18年12月には、53万8千円まで値上がりしたものの、19年度以降、枝肉卸売価格のうちA−3等級が前年同月を下回る水準に落ち込むとともに、子牛取引価格も下落傾向となった(図2)。枝肉卸売価格の下落とともに、配合飼料価格の上昇が続いていることから肥育農家の収益性が低下し、子牛の導入意欲が減退していることが、取引価格下落の要因の一つとして考えられる。
6月の去勢和牛枝肉卸売価格(東京市場)を見ると、比較的価格が維持されていたA−5等級がキログラム当たり2,343円(前年同月比4.4%安)、A−3等級が同1,558円(同11.7%安)となっている。夏場の行楽期に向け、例年需要が盛り上がる7月も、速報値でA−5等級が同2,328円(同6.0%安)、A−3等級が同1,582円(同11.7%安)となっており、上位等級に対する末端の需要が弱含んでいることがうかがえる。
図1 肉用子牛取引価格の推移
図2 黒毛和種枝肉卸売価格と子牛取引価格
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