繁殖メス牛飼養地域に著しい降雨不足アルゼンチンのブエノスアイレス州東南部の例年の年間降雨量は約1,000ミリメートルであるが、2008年は約500〜800ミリメートルと大幅に減少し、降雨不足が著しい。 同地域は水はけが悪いため高地を除き湿地帯を形成することが多く、アルファルファなど栄養分に富んだ牧草の栽培には適さない。このため土地が肥よくで年間を通して良質な牧草が豊富に生産される肥育牛向け牧草地ではなく、繁殖メス牛向けの牧草地として利用されている。国家動植物衛生機構(SENASA)が発表する牛口蹄疫ワクチン接種結果から見るとアルゼンチンの経産牛のうち約13%が同地域で飼養されているとみられる。 肉用子牛生産に大きな影響アルゼンチンで一般的とされる季節繁殖サイクルを図に示す。(肉用子牛生産についてはhttp://lin.alic.go.jp/alic/month/fore/2000/jan/rep-sa.htmの5の(1)肉牛子牛生産を参照願いたい) 2月に国立農牧技術院(INTA)で聞き取り調査を実施したところ、
このような状況から国立農牧技術院(INTA)は、繁殖経営に対し、 なお、このような降雨不足を背景に、連邦歳入庁(AFIP)は2009年1月29日、粗収益が前年度に比べ50%以下になった農業経営に対し、2009年の所得税、固定資産税の納付期限を2010年2月1日まで1年間延期することを公表した。しかし、この措置に対する生産者団体の評価は低く、引き続き大豆の輸出税引き下げを要請している。
ブエノスアイレス州東南部は、農地の約85%が主に繁殖メス牛向けの牧草地であり、大豆やトウモロコシなどの耕地面積の割合は約15%といわれている。今回の降雨不足による受胎率の低下より、2010年には、弱齢去勢牛の牛肉を中心に牛肉生産量が減少することが懸念される。
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