農林水産省「食肉流通統計」によると、21年9月の国内生産量は、7万6千トン(前年同月比5.7%増)と7カ月連続で前年を上回って推移した。これは、20年度前半までの枝肉卸売価格が堅調に推移していたことなどから、生産者の増頭意欲が増し、特に子取用雌豚の飼養頭数(21年2月1日現在)については、前年比2.9%の増加となったことが大きい。さらに、21年度上半期(4〜9月)は、サーコンワクチンによる子豚の事故率低下による生産頭数増加、夏場の低温による増体促進による枝肉重量の増加となったことから、43万9千トン(前年同期比6.4%増)となった。
一方、財務省「貿易統計」によると、9月の輸入量は5万1千トン(前年同月比23.5%減)と、チルド・フローズンともに減少し、21年度上半期(4〜9月)では35万1千トン(前年同期比17.5%減)と前年を下回って推移した。
この結果、9月の推定期末在庫(機構調べ)は、国産品が2万8千トンと依然として高水準であるものの、輸入品が減少したことから、13カ月ぶりに前年同月を1.5%下回る18万2千トンとなった(図2)。
このような中、豚枝肉卸売価格の低迷を受けて、調整保管が10月13日からスタートした。調整保管開始後の豚枝肉卸売価格(東京・大阪加重平均省令価格)は、徐々に値を上げ11月以降395円〜403円(12日まで。安定基準価格はキログラムあたり400円)で推移している。
図2 豚肉卸売省令価格および推定期末在庫量の推移(東京・大阪加重平均)
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