需給動向 国内 |
末端の消費低迷で和牛を中心に枝肉相場が長期的に低迷しており、これらを反映して肉用子牛の相場においても長期下落が続いている。 平成20年10月の当機構の調べによる1頭当たり肉用子牛取引価格(雌雄平均)は、黒毛和種が前月より16,000円値下がりし、373,000円(前年同月比では25.3%安)、交雑種は前月より3,000円値下がりし137,000円(同29.4%安)、ホルスタインは前月より5,000円値下がりし79,000円(同9.8%安)となり、黒毛和種、交雑種においては過去5カ年で最安値の取引となった。ホルスタインは、3年ぶりに80,000円を下回る価格となっている(図1)。このように、子牛価格が下落傾向で推移しているのは、枝肉価格の低迷や、配合飼料価格の高騰などによるコスト高から肥育農家の収益が低下し、肥育農家の子牛の導入意欲が減退していることが原因となっている。 肉用子牛価格および枝肉価格の下落が続いているにもかかわらず、と畜頭数は増加傾向で推移している。農林水産省「食肉流通統計」によると、10月の和牛の出荷頭数は41,326頭(前年同月比7.9%増)、交雑種が24,815頭(同2.5%増)、乳牛が67,367頭(同1.4%減)と乳牛以外の種別は増加した。出荷適齢期となる牛の出生頭数からみても、今後はさらに和牛、交雑種のと畜頭数が増加するものとみられ、資金繰りが厳しいことなどから、枝肉相場の動向に関係なく牛を手放す動きもあることから、枝肉価格の低迷に拍車がかかることが懸念される。 図1 肉用子牛取引価格の推移 |
元のページに戻る