需給動向 国内 |
農林水産省「食肉流通統計」によると、平成20年12月の牛枝肉卸売価格(東京市場)は、例年であれば11月半ば頃からお歳暮などの贈答用、忘年会などの宴会、年末年始の準備などにより末端の需要が高まり相場が上向く傾向にあるはずだが、今年は和牛及び交雑種のと畜頭数の増加に加え、不景気による牛肉需要の減退で枝肉相場の低迷が続き、平成19年12月のときの勢いもなく、平均価格は乳用種去勢牛を除いて前年を下回る価格となった。 めす和牛A−5規格は、キログラム当たり2,732円(前年同月比9.2%安)、A−3規格は同1,605円(同20.3%安)となった。去勢和牛のA−5規格は、同2,352円(同8.1%安)、A−3規格は同1,562円(同20.9%安)と前年を下回り、交雑種においても前年を下回る展開となった。省令価格では25カ月連続で前年同月を下回る同1,092円(同11.4%安)で推移した。 一方、東京市場の乳用種去勢牛の枝肉卸売価格のみは5カ月連続で前年同月を上回って推移し、12月はB−3が同912円(同8.1%高)、B−2が同812円(同9.1%高)といずれも前年を上回った。これらの背景には、卸売価格の低下に伴う量販店などで国産品の扱いの増加や消費拡大事業などが行われたことにより国産品の需要が増えたものの、引き続く不景気による消費者の防衛意識の高まりによる低価格志向と当機構調べの推定期末在庫の国産品在庫の前年同月比31.1%の増加を示す水準により、乳用種去勢牛以外の枝肉卸売価格を押し上げるまでに至らなかったことと考えられる。 図1 牛枝肉規格別卸売価格(東京市場) |
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