需給動向 国内

◆牛 肉◆

黒毛和種の1月の肉用子牛価格は、2年5カ月ぶりに前年同月を上回る


◇絵でみる需給動向◇


 当機構調べによる肉用子牛取引価格を見ると、黒毛和種の子牛取引価格は、枝肉卸売価格の低迷を反映して下落傾向で推移し、21年4月〜22年1月平均では、雌雄平均1頭当たり35万8千円と前年同期を8.3%下回った。これは、と畜頭数の増加や景気の低迷による高級牛肉需要の減退などにより枝肉価格が回復していないことを反映していると考えられる。

 このような状況の中、22年1月の黒毛和種が雌雄平均1頭当たり36万6千円と、前月より9千円値下がりしたものの、2年5カ月ぶりに前年同月を0.7%上回った(図1)。これは、2年以上にわたる値下がりが続いたことで値ごろ感が出たことにより、規模拡大等を図る動きがあるものと考えられる。

 また、ホルスタイン種は同8万8千円(同4.1%高)、褐毛和種および交雑種においては、それぞれ同24万2千円(同8.1%高)、同23万1千円(同28.1%高)といずれも前年同月を上回った。中でも交雑種は、出生頭数の大幅な減少などにより10カ月連続で前年同月を上回り好調を維持している。

 枝肉相場の低迷が長期化する中、経営の悪化や高齢化に伴う繁殖農家の減少が懸念される。子牛価格の推移(図1前年同月比)を見ると、価格自体は低迷しているものの、前年同月比の減少率は少なくなっている。底を打ったとも考えられるが、これは、肥育経営者に対するマルキン等の補助金によるものと考えられ、子牛価格自体の上昇には何より枝肉価格の上昇が欠かせないため、一層の需要喚起が望まれる。

図1 肉用子牛取引価格の推移(対前年同月比)

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