需給動向 国内

◆鶏 肉◆

年末へ向けて輸入品在庫量は増加傾向


◇絵でみる需給動向◇


 鶏肉輸入量は、国内生産量の1/3〜1/4程度であるが、在庫量全体に占める割合は国産品の3〜5倍程度を占め、輸入の増減が在庫量に大きく影響する(図3)。

 財務省「貿易統計」によると、22年9月の鶏肉輸入量は8カ月連続で3万トンを超え、およそ3万6千トン、昨年度の輸入量が少なかったことから前年同月比29.0%増と、大幅に増加したものの、前月水準に落ち着いている。

 国別では、ブラジル産は3万2千トン(前年同月比22.8%増)と増加傾向にある。また、米国産については3千5百トン(同140.1%増)と量的には少ないながら、2カ月連続で3千トンを超え、年度累計(4〜9月)では前年の2倍近い水準となった。

 鶏肉調製品についても鶏肉同様増加傾向にあり、中国産が1万5千トン(前年同月比35.1%増)、タイ産が1万6千トン(同20.5%増)、合計ではおよそ3万1千トン(その他210トン含む)(同26.8%増)となった。

 このように輸入の増加により、在庫量は増加傾向にある。輸入品の推定出回り量(機構調べ)では、年度累計(4〜9月)で前年同期14.5%増となっており、今後、年末のクリスマス需要としての加工向け輸入鶏肉の手当てや、安価で調理が便利な鶏肉調製品への需要は継続するものとみられる。このため、輸入量の増加傾向はしばらく続き、過去最高の在庫量だった20年度の水準に達する勢いとなっていることから、今後の輸入動向に注視する必要がある。

図3 鶏肉・鶏肉調製品輸入量及び在庫量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ、農林水産省 「食鳥市況情報」

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