需給動向 海外 |
1〜3月の牛肉輸出量は減少、1〜4月の生体牛輸出頭数は増加 |
1〜3月の牛肉輸出量、加工用牛肉を中心に大幅減豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2010年1〜3月の牛肉輸出量は、前年同期比14%減の18万8369トンとなった。種類別にみると、グラスフェッド牛肉は同20%減の13万6935トンと減少した一方、グレインフェッド牛肉は同9%増の5万1433トンと増加した。この要因としては、米国向けを中心にグラスフェッドの加工用牛肉が同26%減の8万6000トンと大幅に減少したためとしている。 1〜3月の対日牛肉輸出量前年同期比2%増、対韓は8%増2009年度(4〜3月)の対日牛肉輸出量は、35万7894トンと前年度を2%下回ったが、2010年1〜3月では前年同期比2%増の8万3760トンとわずかに増加した。これは、日本の低価格志向および在庫の減少を受け、ハンバーガー用の挽き肉パティが同28%増の5,350トン、加工用牛肉が同16%増の2万3203トンと、ともに大幅に増加したためとしている。
また、日本の経済の停滞を反映して、単価の安い部位の需要が高く、トップサイド/インサイド、チャックロールなどが増加する一方、相対的に単価の高いフルセットは減少している。 韓国向けについては、同8%増の2万4601トンとなった。要因としては、旧正月に伴う休日(2月13〜15日)の前に需要が増加したこと、韓国国内の在庫が手薄であったことが影響しているとみられる。また、韓国は景気が回復傾向にあるため、不況が続く日本から、韓国へシフトする傾向もみられる。
1〜4月のインドネシア向けの生体牛輸出頭数は大幅に増加するも5月は減少見込み一方、2009年度(4〜3月)の生体牛輸出は、前年度比18%増の99万8565頭と大幅に増加した。また、2010年1〜4月も、輸出頭数全体の8割を占めるインドネシア向けが、同4%増の19万9476頭と好調であったため、前年同期比18%増の28万646頭となった。インドネシア向けの輸出量が増加している要因としては、経済成長が著しいこと、ほかの輸出国に比べ地理的に優位であることが挙げられる。また、宗教上豚肉と競合する可能性が低いインドネシアの市場は、豪州にとって安定した輸出先である一方、インドネシアにとっても豪州は、疫病の発生が少ない清浄国であるため、今後も生体牛輸出に占めるインドネシア向けの割合は大きいとみられる。 しかし、インドネシアは現在、輸入許可証発行数の制限による輸入規制を行っているため、一転して5月の輸出量は減少が予測される。 現インドネシア政権は、牛肉の自給率向上を目指しており、今後も輸入を制限する動きにあり、輸出量はこのような要因にも左右される可能性があるとみられる。
|
元のページに戻る