需給動向 国内 |
農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成22年2月の生乳生産量は、北海道が前年並みの301,132トン(前年同月比0.1%減)、都府県がわずかに下回る308,579トン(同2.7%減)となり合計で690,711トン(同1.4%減)と5カ月連続の前年割れとなった。 用途別処理量を見ると、牛乳等向けが318,426トン(同5.3%減)と19カ月連続で前年を下回ったのに対し、乳製品向けは、チーズが39,107トン(同19.3%増)と大幅に増加したことを反映し、285,402トン(同3.2%増)となった。(図4)チーズについては21年10月にチーズ向け乳価が引き下げられ、輸入品との競争力がアップしたことから同月以降前年水準を上回って推移している。 また、2月の飲用牛乳等の生産量は、289,039キロリットル(同3.2%減)と前年割れが続いている。このうち、牛乳においては233,950キロリットル(同9.1%減)と平成2年以来初めて24万キロリットルを下回った。飼料価格の高騰などにより昨年3月に飲用向け乳価が引き上げられたことにより、牛乳の販売価格も引き上げられたことから牛乳生産量の減少率が拡大し、5月に初めての2ケタ台を記録し、その後も10%前後の減少が続いている。 一方、シェアは小さいものの、2月の加工乳・成分調整牛乳の生産量は49,089キロリットル(同41.8%増)となっており、このうち成分調整牛乳は33,109キロリットル(同58.2%増)と5月をピークに伸び率が鈍化しているものの、引き続き大幅な伸びを示している。 このように、飲用牛乳などの生産に減少傾向の歯止めがかからない中、生乳の安定した需要を確保するとともに、消費者のニーズを捉えた乳製品の供給を行っていくことが必要と考えられる。生産者にとっては、手取り乳代の減少となるが、新たな機構補助事業なども活用しつつ、チーズ及び生クリーム向けの需要を創出できるかが、今後のカギになると思われる。
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