需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

8月の生乳生産量は、猛暑で前年同月を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成22年8月の生乳生産量は、北海道が328,728トン(前年同月比1.6%減)、都府県も303,028トン(同4.8%減)といずれも前年を下回った。このため、全体では631,756トン(同3.2%減)と11カ月連続の前年割れとなった(図5)。

 今夏は、梅雨明け以降の記録的な猛暑で乳牛がダメージを受け、都府県を中心に乳牛の死廃頭数が前年に比べ増加したと報告されている。このため、減少率は前月より2.1ポイント拡大し、今年度最大の下げ幅となった。

 また、牛乳生産量を見ると、記録的な猛暑にもかかわらず生産量が伸び悩み、245,490キロリットル(同0.6%減)、成分調整牛乳は40,633キロリットル(同4.3%減)と前年を下回ったのに対し、相対的に価格の安い加工乳(21,800キロリットル(同14.8%増))および乳飲料(116,949キロリットル(同1.9%増))は前年を上回った。加工乳は前年をかなり大きく上回ったが、伸び率は前月より縮小した。

 このような中、㈳中央酪農会議が発表した8月の用途別販売実績・速報を見ると、飲用牛乳向けは、都府県で215,779トン(同5.5%減)と低調であったのに対し、北海道は70,169トン(同13.2%増)とかなり大きく前年を上回り、全国計で285,948トン(同1.5%減)となった。

 北海道の増加は、都府県の減産を受けた補完的な需要に対応したものと考えられる。

 例年、涼しくなるにつれて生乳生産は回復するものの、今夏は、乳牛のダメージが深刻であることなどから急激な回復というのもあまり期待できないため、しばらくは減産が続くことも考えられる。
図5 生乳生産量の推移(前年同月比
資料:農水省「牛乳乳製品統計」

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