需給動向 海外 |
◆米 国◆
生乳の増産が続く中、バター需給はやや緩和気味
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生乳生産量は20カ月連続で増加米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が10月19日に公表した「Milk Production」によると、2011年9月の搾乳牛飼養頭数と1頭当たり乳量が、それぞれ前年同月比1.0%増、同0.7%増となった結果、生乳生産量は同1.7%増の716万8千トンとなり、20カ月連続で前年水準を上回ることとなった。 地域別の生乳生産について、主産地であるカリフォルニア州とウィスコンシン州を見てみると、カリフォルニア州については、暑さの影響で一頭当たりの乳量が前年同月比0.8%減となったものの、搾乳牛飼養頭数が同1.4%増であったことから、生乳生産量は同0.6%増の150万3千トンとなった。また、ウィスコンシン州については、良好な天候に恵まれ、1頭当たりの乳量が同1.8%増の伸びを示したことから、生乳生産量は同1.8%増の96万3千トンとなった。
生産者の増頭意欲にやや陰り、しかし、搾乳牛の更新は積極的搾乳牛飼養頭数については、好調な乳価を反映して前年10月より前月比約0.1%増のペースで順調に増加してきたところであるが、今年7月より伸びが鈍化し、9月の飼養頭数は、ほぼ横ばいで推移しており、生産者の増頭意欲がやや減退している兆候が見受けられる。 他方、NASSが10月21日に公表した「Livestock Slaughter」によると、9月の搾乳牛と畜頭数は前年同月比1.6%増の247千頭、また、今年1月から9月までの搾乳牛と畜頭数も4.2%増の2,156千頭と、いずれも増加傾向を示している。搾乳牛のと畜頭数が前年を上回っているにもかかわらず、全体として搾乳牛飼養頭数が増加していることを踏まえれば、生産者は今後の生乳生産の拡大に向けて、搾乳牛の入れ替えを積極的に行っているものと考えられる。
バターの在庫が前年と比べて増加傾向生乳生産が増加する中、好調な乳価を反映してバターの生産量が大幅に伸びてきており、2011年1月〜9月の生産量は前年同期比16.6%増の60万8千トンとなった。しかし、生産増加のペースに消費が追い付かず、バターの在庫が前年と比べ積み上がる状態となっている。NASSが10月21日に公表した「Cold Storage」によると、9月末のバター在庫は前月よりも6.6千トン削減されたが、前年同月比では16.3%増の68.5千トンとなった。この在庫は、過去5年間平均の88.5千トンと比較すれば低い水準にあること、年末に向けてバター需要の高まりが見込めることなどから、大きな不安材料とはなっていない。しかし、最近になってバターの国際的な需要が力強さを欠くことなどから、バター卸売価格は2ヵ月連続で低下し、10月は前年同月比16.4%減の183.0セント/ポンド(約144円:1ドル=79円)となった。今後のバターの需給動向が注目されるところである。
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