需給動向 国内

◆牛 肉◆

22年7〜9月の全国の乳用牛への黒毛和種交配状況は、3年ぶりの30%超に


◇絵でみる需給動向◇


 当機構調べによる肉用子牛取引価格を見ると、22年11月は黒毛和種が雌雄平均1頭当たり38万5千円(前年同月比6.9%高)と前月より8千円ほど値上がりした。ホルスタイン種は、同8万4千円(同5.3%安)と前月より1千円値上がりしたものの、枝肉相場の低迷もあって、前年水準を下回って推移している。また、交雑種は、同27万3千円(同23.1%高)と出生頭数の大幅な減少などにより20カ月連続で前年同月を上回り、堅調を維持している(図1)。

図1 交雑種及び交雑種初生牛の価格の推移

資料:農畜産業振興機構調べ

 こうした中、(社)日本家畜人工授精師協会が22年12月17日、同年7月〜9月の「乳用牛への黒毛和種の交配状況(速報)」を公表した。これによると、延べ人工授精頭数のうち黒毛和種授精牛が占める割合は、全国平均で30.6%(前年同期比10.9%増)、都府県平均では42.8%(同8.4%増)といずれも3期連続の増加となった。全国ベースで30%を超えたのは19年7月〜9月期以来3年ぶりのことである。また、ブロック別にみると、主産地である北海道は18.7%と前期と比べ1.3ポイント増加し、比較的頭数の多い東北、関東においてもそれぞれ同1.2ポイント、同2.4ポイントと増加、そのほかのブロックにおいても前期と比べ2ポイント前後上回った。

 このように、乳用牛への黒毛和種の交配が増加基調であるのは、出荷頭数の減少により交雑種の子牛価格が高水準で推移していることなどから、所得確保のため黒毛和種への交配意欲が高まったことによるものなどが考えられる。今後、交雑種などの子牛相場の動向を注視していく必要があろう。


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