需給動向 国内

◆豚 肉◆

国産品在庫、取り崩し進む


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、22年11月の全国の豚と畜頭数は、150万5千頭(前年同月比0.4%増)と、4月以来7カ月ぶりに前年同月を上回った。一方、枝肉重量については、夏場の増体不良が影響し、年度平均(4〜11月)で76.6キログラムと前年度を0.5%下回った。

 このため、生産量については、11月は8万1千トン(同0.7%減)と8万トン台まで回復したものの、5月以降、前年同月を下回って推移している。

 11月の国産品の推定期末在庫量(機構調べ)は、需給の引き締まりから9カ月ぶりに前年度を下回り2万6千トン(同11.6%減)まで取り崩しが行われた。

 この結果、11月の国産品の推定出回り量(機構調べ)は6カ月ぶりに前年度を上回る8万4千トン(同3.5%増)となった。

 豚肉卸売価格(東京・大阪省令価格加重平均)は、年末需要を控え、国産品の品薄感が相場に影響した結果、11月はキログラム当たり438円(同9.2%高)、12月速報値では同462円(同0.7%高)と堅調に推移した(図2)。

図2 豚肉卸売省令価格および推定期末在庫量の推移(東京・大阪加重平均)
資料:農林水産省「食肉流通統計」、農畜産業振興機構調べ

 財務省「貿易統計」によると、11月の輸入量は、6万1千トン(同15.9%増)、うち冷蔵品は2万1千トン(同22.3%増)、冷凍品は4万トン(同12.8%増)となった。これは、国産品の生産減少に伴う冷蔵豚肉の需要が好調だったことが影響していると言われている。

 速報値ではあるが、12月のと畜頭数は、前年比12%減の138万9千頭と、今年度初の2ケタ台の落ち込みとなり、生産量の減少が予想される。今後の市場価格や輸入にどのような影響を与えるのか、動向が注目される。


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