需給動向 国内 |
農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成22年7月以降前年を下回って推移していたバターの期末在庫量は、10月は27,300トンと、前月に比べ2,700トン減、前年同月比では5,600トン減(17.0%減)と大幅に減少し、21年12月以来10カ月ぶりに3万トンを下回った。これは、今夏の猛暑による生乳の減産により、加工原料向け生乳処理量が減少し、バター生産量が、4,454トン(前年同月比17.3%減)と大幅に減少した一方で、推定出回り量は、前年同月比5.9%増の約7,200トンと需要が堅調であることによるものと考える。 一方、脱脂粉乳の期末在庫量について見ると、10月は57,600トンと前月に比べ3,800トン減少したが、前年同月比では4,700トン(8.9%増)の増加となり、引き続き前年を上回る水準となった(図4)。
これは、バターと同様に生乳の減産に伴う加工原料向け生乳処理量の減少によるもので、生産量は、9,673トン(前年同月比18.5%減)と減少幅は縮小も2ケタでの減少が4カ月連続となっている。推定出回り量は、14,500トン(同8.0%増)と6月以降前年同月を上回って推移していたものの、バターと異なり、在庫が前年割れとなるまでには至らなかった。 このように、バターに比べて脱脂粉乳の在庫は依然として厳しい水準となっている。今後の乳製品の需給を注視していく必要があろう。 |
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