需給動向 海外

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2010年の豚肉輸出量、ドイツ5.5%増、デンマーク5.9%増


◇絵でみる需給動向◇


ドイツ産はロシア向けで顕著に増加

 英国の農業・園芸開発委員会(AHDB)によると、EU最大の豚肉生産国であるドイツの2010年における豚肉輸出量は、前年比5.5%増の154万トンとなった。この要因としては、2010年は国内生産量が前年比3%増加したものの、国内消費量が前年と同程度となり、輸出余力が大きかったことが挙げられる。近年、同国の豚肉輸出量は増加傾向で推移しており、4年間でおおむね倍増したことになる。

 国別では、イタリア(同5.8%増)、ポーランド(同1.7%減)、オランダ(同4.7%増)など、輸出先の8割以上をEU加盟国が占めた。

 約2割を占めるEU域外向けは、ユーロの対ドル為替レートの低下による競争力の高まりから、前年比47.1%増と大幅に増加した。

 なお、域外向けの半数以上を占めるロシアについては同63.1%と急増したが、これは、為替レートの影響に加え、ロシア政府が米国からの豚肉輸入を衛生上の理由から制限したことにより、ドイツ産への代替需要が急増した影響が大きいと考えられる。(図1)

図1 ドイツ産豚肉の輸出量の推移
資料:AHDB

デンマーク産はドイツ、イタリア、日本向けで増加

 一方、EU加盟国の中でわが国にとって最大の豚肉供給国であるデンマークの2010年における豚肉輸出量は、豚肉生産量の増加(前年比5.0%増)を反映し、同5.9%増の117万トンとなった。

 輸出国でみると、ドイツと同様に域内向けが約7割と多く、全体の約3割を占めるドイツ向けが同13.3%と増加したほか、イタリア、日本もそれぞれ7.5%増となっている。

 域外向けの約4割を占める日本向けについては、日本国内で口蹄疫が発生し豚肉生産量が減少したものの、2008年の水準には及ばなかった。これは、デンマークの通貨であるデンマーク・クローネの為替状況が、輸出競争国である米国のドル安と比較すると不利であったため、米国の輸出増加に押される形となったためと考えられる。(注)

 なお、デンマークでは近年、生産コスト高や環境規制のため、ドイツへの生体豚輸出(子豚、成豚)が増加しており、2010年のドイツ向け生体豚輸出は前年比2.6%増となる680万頭となった。(図2)

図2 デンマーク産豚肉の輸出量の推移
資料:AHDB

注:デンマークは非ユーロ圏であるが、同国の通貨であるデンマーク・クローネは、ヨーロッパ為替メカニズム(ERM-II)を通して対ユーロ為替相場の変動幅が2.25%以内に抑えられており、ユーロに連動している。

 


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