需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

1学期の学校給食用牛乳供給量、被災地を中心に減少


◇絵でみる需給動向◇


 学校給食用牛乳生産量は、少子化により全体的に減少傾向である中で、インフルエンザの流行や台風などの災害により年度によって多少のばらつきがあるものの、概ね37〜38万キロリットルで推移している。

 農林水産省牛乳乳製品統計によると、平成23年度第1学期(4月〜7月)の学校給食用牛乳生産量は、129,531キロリットル(前年同期比4.3%減)と、やや減少した。これを月別に見ると、4月は27,348キロリットル(前年同月比11.9%減)とかなり大きく減少したものの、5月、6月は、36,513キロリットル(同2.8%減)、41,769キロリットル(同3.3%減)と減少幅が縮小し、7月は23,901キロリットル(同0.3%増)と前年並みとなった(図5)。

図5 学校給食用牛乳 生産量の推移

 こうした減少の要因として、東日本大震災の影響により、被災地の学校で新学期の開始時期が4月後半以降にずれ込んだことや、給食センターの被災などにより給食の代わりに弁当持参の期間が続いたことなどが挙げられる。

 学校給食用牛乳供給事業の各事業実施主体に供給状況を確認したところ、平成23年度第1学期の総供給量は130,073キロリットル(前年同期比1.7%減)とわずかに減少した。

 都道府県別に見ると、東日本大震災で特に甚大な被害を受けた福島県が2,152キロリットル(同12%減)、宮城県が2,364キロリットル(同9%減)、岩手県が1,371キロリットル(同6%減)、青森県が1,520キロリットル(同5%減)となり、東北地方全体では9,965キロリットル(同7%減)となった。

 また、関東地方では茨城県が3,444キロリットル(同6%減)と特に減少幅が大きかった(表2)。

表2 第1学期の学校給食用牛乳供給量の推移

 今後の見通しとして、第1学期供給量は前年同期比1.7%の減少となったものの、第2学期以降は概ね横ばいで推移すると見込まれるため、今年度の総供給数量は36万キロリットルを上回ると見られる。


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