需給動向 国内

◆豚 肉◆

1月の推定期末在庫、輸入量増加により、
1万3千トン積み増し


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、24年1月の豚肉生産量は、7万7千トン(前年同月比2.1%増)となった。1月末の大雪による出荷遅延の影響は部分的にとどまったものとみられる。

 一方、財務省「貿易統計」によると、1月の豚肉輸入量は、6万9千トン(同19.1%増)となった。内訳は、冷蔵品が1万9千トン(同6.9%増)冷凍品が4万9千トン(同24.7%増)となった。国産豚肉と競合する冷蔵品は、23年度、毎月概ね2万2千トン程度で推移していたが、1月は年末の需要期を過ぎ、半年ぶりに2万トンを割り込んだ。また、冷凍品は、米国、カナダ、デンマークなど主要国からの輸入量がいずれも前年同月を10%以上回ったことから、10月以降4カ月連続で前年同月を20%以上上回る大幅な増加となった。

 主に加工に仕向けられる冷凍品輸入量の大幅な増加は、ハム・ソーセージなど加工品への需要が堅調に推移していることが一因と推察される。10月以降における輸入豚肉の食肉加工品仕向肉量(日本ハム・ソーセージ組合「月間食肉加工品仕向肉量」)、ハム及びソーセージの家計消費量(総務省「家計調査報告」)は、概ね前年同月を2〜4%上回る水準での推移となっている。

 このような需給動向を反映し、当機構調べによる24年1月の推定期末在庫は、前月から1万3千トンの積み増しが進み、17万9千トン(同4.7%増)となった。国産品在庫は、2万4千トン(同7.5%減)と、15カ月連続で前年同月を下回った一方、輸入品在庫は、冷凍品輸入量の大幅な増加から、15万5千トン(同6.9%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った(図3)。高水準で推移している冷凍品の輸入動向次第であるが、例年3月決算期を控え、在庫を必要最低限に絞る時期であるものの、今年度は冷凍品輸入量の増加傾向が続いていることから、今後の動向が注目される。

図3 豚肉の推定期末在庫の推移
資料:農水省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、在庫量は農畜産業振興機構調べ

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