需給動向 国内

◆牛 肉◆

枝肉重量の増加に伴い、牛肉生産量は増加傾向で推移


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、平成24年5月の牛と畜頭数は、和牛が4万590頭(前年並み)、乳牛が3万3745頭(同2.5%増)、交雑種が1万8124頭(同10.3%減)となり、子牛などを含めた牛全体では、2カ月連続で前年同月を下回る9万4479頭(同1.3%減)となった。

 一方、牛肉生産量(部分肉ベース)は、と畜頭数の減少にも関わらず、1頭当たりの枝肉重量が増加したため、5カ月連続して前年同月を上回る2万8685トン(同1.4%増)となった。生産量を品種別に見ると、和牛が1万2581トン(同1.1%増)、乳用牛が9,576トン(同7.1%増)とそれぞれ増加したものの、交雑種については、6,100トン(同6.0%減)と、依然として減少が継続している。

 次に、財務省「貿易統計」によると、牛肉輸入量は、現地相場は依然として高いものの、豪州および米国からの輸入が回復し、冷蔵品が1万8979トン(同10.5%増)、冷凍品が2万3226トン(同1.1%増)、合計で4万2218トン(同5.0%増)と増加に転じた。

 また、推定期末在庫量(機構調べ)は、国産品については、生産量が増加していることもあって、4カ月連続して前年同月を上回る1万668トン(同6.3%増)となり、輸入品については、輸入量が増加したものの、東日本大震災の影響で在庫が増加した前年の反動もあり、7万6トン(同5.1%減)と前年をやや下回った。国産・輸入品を合わせた期末在庫は8万674トン(同3.8%減)と、3カ月連続して前年同月を下回った。

 その結果、推定出回り量(機構調べ)は、国産品が2万8636トン(同0.7%減)、輸入品が3万8378トン(同1.9%増)、合計で6万7014トン(同0.8%増)となった。

昨年秋以降、枝肉重量の増加が顕著に

 1頭当たりの枝肉重量は、昨年秋以降、和牛、交雑種、乳牛ともに増加傾向で推移しており、特に乳牛において顕著な増加が見られる(図1)。

 これは、肉用牛の交配で増体が重視されていることや、歩留りがよく、重量の多い枝肉に対して、量販店などからの引き合いが強いことに加え、(1)放射性セシウム検出による出荷制限や検査の強化により、牛の飼養期間が延長されたこと、(2)牛肉相場の低迷を受け、1頭当たりの枝肉重量を増やすことで手取収入を確保しようとしたこと(特に乳牛については、昨年夏以降著しく相場が低迷したことによる)などによるものと考えられる。

  なお、和牛(去勢)のと畜月齢の推移を見ると、枝肉重量が顕著に増加を始めた昨年秋以降、季節ごとの変動はあるものの平年を上回って推移していることから、1頭当たりの枝肉重量の増加が、飼養期間の延長によるものであることが伺える(図2)。

図1 1頭当たり枝肉重量の推移
資料:農林水産省「食肉流通統計」より農畜産業振興機構推計
図2 と畜月ごとの平均と畜月齢(和牛去勢)
資料:独立行政法人家畜改良センター「牛個体識別情報」より農畜産業振興機構推計
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